基本説明

ガータロー(河太郎)は、長崎県五島列島に伝わる河童である。背丈は大きいもので一メートルほど、頭に皿を戴き、その水が乾くと力も神通力も失うという、九州の河童に共通する形姿をもつ。五島では河童をガータローと呼ぶのが主だが、地域により「ガアタロ」「ガッパ」「キャタロ」「ガッパドン」など呼称が分かれる。気性はいたずら好きで相撲を好み、狐のように人に憑くこと、両腕が甲羅の内で繋がっているため腕が抜けやすいことが語られる点に五島の河童の特徴がある。魚を盗む害をなす一方、人と酒を酌み交わすおとなしい河童の話も残る。

民話・伝承

五島のガータローを名高くしたのは、火伏せ(消防)の神としての信仰である。福江島の大円寺川にある水神社は消防の神として知られ、ここに五島中の河童の大将が住むと伝えられる享保8年(1723年)、江戸の五島藩邸が火災に見舞われた際、邸内から大勢の火消しが現れて屋敷を守り、それが実は五島から来た河童であったという伝説が江戸で広まり、水神社への参拝者が急増したという。

また福江島三井楽町の白良ヶ浜・弁天島には、河童がいたずらをして付けたという足跡が岩肌に残ると伝わる。山と川を行き来する九州の山童(やまわろ)と表裏をなし、五島では山の怪と水の怪が地続きに語られてきた。海に囲まれ川の乏しい島嶼にあって、ガータローは水神への畏れと火伏せの願い、そして人なつこい悪戯者という両面を併せもつ、五島固有の河童像を結んでいる。

徹底解説

ガータローは、九州河童の一系統でありながら、火伏せの守護神という独自の信仰を結んだ点に五島ならではの像がある。福江島大円寺川の水神社に五島中の河童の大将が棲むとされ、享保8年(1723年)の江戸藩邸火災で河童の火消しが屋敷を守ったという伝説は、水神=火伏せという日本各地の水天宮信仰と結びつき、五島藩邸を介して江戸にまで知られた。

形姿は頭の皿、腕の抜けやすさ、相撲好き、人への憑依など九州河童の典型を備えるが、ガアタロ・キャタロ・ガッパドンといった島内の呼称差や、三井楽白良ヶ浜の弁天島に残る河童の足跡など、在地の地名と結んだ伝承が厚い。山童と季節ごとに去来する表裏の存在として語られることもあり、海に囲まれ清流の限られた五島にあって、ガータローは水と火、いたずらと守護という対照を一身に宿す、島の暮らしに根ざした河童である。

妖怪設定

この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。

妖怪タイプ
伝統妖怪
カテゴリ
水の怪
レアリティ
珍しい
性格
いたずら好きで相撲を好む。人に憑くこともあるが、酒を酌み交わすおとなしい個体もいる。火事には火消しとして駆けつける義の一面をもつ。
相性
山童(やまわろ)と山川を去来する表裏の関係。南九州のガラッパと同系。
能力・特技
火災時に火消しとして駆けつける守護相撲の怪力人への憑依腕を伸縮・着脱する
弱点
頭の皿の水が乾くと力と神通力を失う。腕が抜けやすい。
生息地
五島列島 (福江島大円寺川・三井楽白良ヶ浜ほか) の川辺・水辺。

🔮妖怪相性診断

火伏せの神となった五島の河童・ガータローについてさらに詳しい情報や診断結果については、こちらをご覧ください。

出典・参考文献

2
  1. 福江島コラム【カッパ伝説】 ガータローと水神社の火伏せ伝説五島引越し便(goto-hikkoshi.com, 2023) [古典文献]
  2. 五島列島福江島にある河童の足跡 (三井楽・白良ヶ浜弁天島)五島列島ファン(gotofan.net, 現行) [古典文献]

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