名妖
伝統妖怪

山童

やまわろ

カテゴリ
山野の怪
性格
山仕事を助ける働き者だが、約束と礼にはきわめて厳しく、違えれば激しく怒る。いたずらと怪音で人を惑わす一面も。
起源
九州 (山童・西日本山地)
地図で見る
子供向け
妖怪キッズでよむ

お子様にも分かりやすく山童について説明したページもご用意しています。

基本説明

山童(やまわろ)は、西日本の山地に伝わる妖怪で、河童が秋に山へ入った姿だと語られることが多い。子どもほどの背丈に長い脚、全身に細かな毛を生やし、人の言葉を解すという。『和漢三才図会』は、赤褐色の長い髪に丸顔、犬のように尖った耳をもち、鼻の上にただ一つの目をもつ姿を記している。山仕事をよく手伝う一方、相撲を好み、牛馬に悪戯をし、人家に上がりこんで湯に入るともいう。熊本では、大工の使う墨壺(すみつぼ)の墨線を嫌い、それを引いておけば近づかないと伝えられる。

民話・伝承

熊本などでは、山童は樵(きこり)や炭焼きの仕事を助け、礼に酒や握り飯を求めるという。ただし約束には厳しく、先払いすると仕事をせずに食い逃げし、約束を違えると激しく怒るとされる。天狗倒(てんぐだお)しのような、木が倒れる大きな怪音を立てたり、人の歌や作業の音を真似たりする話も多い。

多くの土地で、河童は秋の彼岸に山へ入って山童となり、春の彼岸にふたたび川へ下りて河童に戻る、と語られる。柳田國男はこれを「河童の渡り」と呼んで書きとめた[2]。川の神と山の神とが季節ごとに姿を変えるという、古い信仰の名残だと考えられている。山童の通り道に家を建てると怒って壁に穴を開ける、という民俗もある。呼び名は土地によってやまんぼ、山ん太郎、セコ、カシャンボなどと分かれ、ほかの山の小さな妖怪と重なり合っている。

同類・一族

河童の一族

全国の水辺にすむ河童と、その同族たち。位の上下ではなく、土地ごとの呼び名と、川と山をめぐる季節の行き来でつながる。

徹底解説

この版では、河童の「もう半分」である山童を、山の暮らしの側から見る。河童が水辺で人を脅かす存在なら、山童は山仕事の現場に現れる存在だ。樵や炭焼きが木を運ぶのを手伝い、その見返りに酒や握り飯を受け取る。ただしそのやり取りには厳しい掟があり、約束した品を先に渡すと働かずに逃げ、約束を破られると激しく怒って災いをなす。山で働く人々にとって山童は、頼りになる相棒であると同時に、礼を欠けば牙をむく油断ならない隣人でもあった。

山童をめぐる話には、山の怪異がぎゅっと詰まっている。誰もいないのに大木が倒れる音が響く「天狗倒し」、人の歌や斧の音をそっくり真似る声、そして大工の墨壺の線を嫌うという妙な弱点。これらは、深い山に分け入った人が抱く畏れそのものである。そして秋の彼岸に山へ入り、春の彼岸に川へ戻るという「河童の渡り」[2]の言い伝えが、山童と河童を一本の糸でつないでいる。山と川を行き来する一つの水の神――その山での顔が、山童なのである。

妖怪設定

この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。

性格
山仕事を助ける働き者だが、約束と礼にはきわめて厳しく、違えれば激しく怒る。いたずらと怪音で人を惑わす一面も。
相性
山の仕事や自然を敬い、約束を守る義理堅い人
能力・特技
山仕事の手伝い(運搬・伐採の補助)人語の理解と物真似天狗倒しのような怪音で人を惑わす相撲・力比べ山中での敏捷な跳躍
弱点
  • 大工の墨壺の墨線を嫌う
  • 礼の取り決めを破られると激怒する
  • 約束の品以外を受けつけない
生息地
九州山地, 五島列島, 筑前周辺, 西日本各地の山間部(秋〜春)

🔮妖怪相性診断

西日本山中の童子・山童についてさらに詳しい情報や診断結果については、こちらをご覧ください。

出典・参考文献

2
  1. 和漢三才図会 [古典文献] 参考資料
  2. 山島民譚集柳田國男(甲寅叢書, 1914) [研究] 参考資料「河童駒引」を全国採集・整理。河童=水神零落説の基礎をなす民俗学の古典。

このタイプの妖怪に興味がある?

妖怪診断で、あなたの性格に最も近い妖怪を発見しましょう

妖怪診断を始める

神社で今日の守護妖怪に出会う

おみくじを引くと、今日あなたを見守る妖怪が現れます。