ぬらりひょん
妖怪の総大将とも言われる謎多き存在。人の家に入り込んでも誰にも気づかれない。
ろくろくび
夜になると首が長く伸びる妖怪。昼間は普通の人間として生活している。
きゅうびのきつね
賢く美しい狐の妖怪。長く生きるほど尻尾が増え、九尾まで成長すると神格に近い力を持つ。
ふたくちおんな
二口女は、後頭部に第二の口をもつとされる女の妖怪。普段は髪で口を隠すが、空腹になると髪が蛇のようにうねり、後ろ口が勝手に食物を求めて騒ぐという。『絵本百物語』(天保十二年刊)などの奇談に見られ、過度な倹約や隠し事への戒めとして語られる。外見は人の女と変わらず、うなじに鋭い歯と舌を備えるとされる。
いつまで
以津真天は人間の声で「いつまで…」と不気味に鳴き、聞いた者に死を予兆する怪鳥。古くから「この声を聞けば三日以内に命を落とす」と伝えられ、恐れられてきた。
てんぐ
日本の山に住む鳥のような顔を持つ妖怪。武芸に長け、修行者を導くこともある。
ほうき
封豨は『山海経』など中国の古書に見える怪獣名で、桑林と称される地に棲むと記される。日本固有の妖怪名ではないが、江戸期以降の博物誌・異国奇談の紹介を通じて名のみが知られ、異境の怪として受容された例がある。姿形や性質の細部は日本側資料では一定せず、主に名と出所のみが引用される存在である。
やまんば
山奥に住む老婆の妖怪。金太郎の育ての親としても知られる。
ざしきわらし
家に住み着く子供の妖怪。その家に幸運をもたらすとされる。
かっぱ
川に住む緑色の妖怪。頭に皿があり、水泳が得意。相撲も好む。
うみぼうず
海の闇から突如現れる巨大な影の妖怪。漁師や旅人に畏れられ、船を転覆させたり不思議な問いを投げかけると伝えられる。
えんえんら
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』に描かれる煙の妖怪。名中の「羅」は薄布を指し、薄紗のごとくたなびく煙の精を表す。古来、囲炉裏や竈から立つ煙に気配を見た観念と結びつき、形を定めず漂う姿で示される。史料上は石燕の画による定着が主で、具体の害や徳は明示されず、煙そのものの化生として理解される。
うしおに
海や川辺に現れる恐ろしい妖怪。牛のような頭と蜘蛛や鬼に似た体を持ち、人を襲い喰らうと言われる。土地によって姿の伝承は異なるが、多くの場合「海辺で出会ってはならぬ存在」とされる。
ねこまた
猫又は、年老いた猫が尾を二股に分けて妖力を得た姿、または山中に棲む大猫の妖怪をいう。古記録や随筆に名が見え、火を噴く、言葉を解す、人に化けるなどの異能を持つとされた。家猫が長命・大柄になるほど化けやすいと畏れられ、夜更けの怪火や怪音の原因ともされた。山の猫又は人を襲う荒ぶる獣とされ、家由来は家内神的に扱われる例もある。
くうこ
江戸時代の文献に見える妖狐の階位の一つ。皆川淇園『有斐斎箚記』において、天狐・空狐・気狐・野狐の順に位が記され、空狐は上位に位置づけられる。姿は一般の狐と変わらぬとも、年を経て霊力が増し、幻術や人心への働きかけに長けるとされた。具体相や逸話は多く残らず、主に等級として言及される。
ゆきおんな
雪深い夜に現れる美しい女性の妖怪。冷たい息で人を凍らせるとされる。
ばこつ
馬骨は、朽ちた馬の骨が妖気を帯びて現れたとされる骸の妖怪。江戸期の絵巻『土佐お化け草紙』に描かれ、骨が衣をまとい歩く姿で知られる。恨みや無念を帯びるとも、埋葬や供養の不足が形を成したとも語られる。人を直接害するより、夜道に現れて驚かせ、畜生供養の大切さを示す存在として記録されることが多い。
おに
角を持つ力強い妖怪。恐ろしい姿をしているが、実は心優しい者も多い。
りゅうじん
水を司る神聖な存在として古くから崇められてきた龍神。