珍しい
伝統妖怪

水蝹

けんむん

カテゴリ
水の怪
性格
相撲を好み力比べを挑む、子どものように気まぐれな精。住処のガジュマルを侵されることを何より嫌う。
起源
鹿児島県奄美大島 (ガジュマルの精・ケンムン)
  • 奄美 (ガジュマル精)(鹿児島県 奄美市)
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子供向け
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お子様にも分かりやすく水蝹について説明したページもご用意しています。

基本説明

水蝹(けんむん)は、鹿児島県の奄美群島に伝わる妖怪で、本土の河童と同類とされる南島の水の精である。幕末の地誌『南島雑話』に「水蝹(けんもん)」として記され、頭の皿や相撲好きなど河童と通じる性質をもつ一方、ガジュマルの古木に棲む木の精としての顔も濃い。海と山を季節で行き来し、夜には体を光らせて岩間で漁をするともいう。古くは人を助ける無害な存在とされたが、後世には祟りや悪戯の話も増えていった。

民話・伝承

『南島雑話』は、けんむんが相撲を好み、人を見れば勝負を挑むと記す。河童と同じく頭の皿の水が失われると力を失うため、こちらが先に礼をして頭を下げさせたり、逆立ちを真似させたりして退ける話型が伝わる。

けんむんを語るうえで欠かせないのが、住処であるガジュマルだ。この古木を切ると祟られるといい、伐採をためらう心は今も奄美に残る。漁にまつわる話も多く、けんむんは魚の目玉だけを好んで抜き取るとも、蛸(たこ)を嫌って投げつければ退くともいう。姿を変えて人や獣、草木に化ける、石を投げて怪音を立てる、子どもを惑わすといった話も広く伝わる。戦後はガジュマルの森が減るとともに、その目撃談も少なくなったとされる。

妖怪カード2

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同類・一族

河童の一族

全国の水辺にすむ河童と、その同族たち。位の上下ではなく、土地ごとの呼び名と、川と山をめぐる季節の行き来でつながる。

徹底解説

この版では、河童と同類でありながら奄美ならではの色をもつ、けんむんの姿と性質を細かく見る。背丈は子どもほど、肌は赤みを帯び、猿に似た体毛におおわれ、髪は黒または赤い。頭の皿には力の源となる水をたたえ、指先や涎(よだれ)、皿そのものが淡く光るとされる。本土の河童が川や淵に縛られるのに対し、けんむんはガジュマルの古木を住処とし、海と山のあいだを季節で行き来する点に、南島の自然に根ざした独自の性格がよく出ている。

分布も島ごとに広がり、奄美大島・加計呂麻島・徳之島・沖永良部島などで、それぞれに語りが伝わる。古い世代の話では人を助ける無害な精として語られることが多かったが、時代が下るにつれ、悪戯をしたり人を脅かしたりする面が前に出てくる。森とともに生きてきた島の暮らしが薄れるなかで、けんむんの居場所もまた、少しずつ遠ざかっているのである。

妖怪設定

この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。

性格
相撲を好み力比べを挑む、子どものように気まぐれな精。住処のガジュマルを侵されることを何より嫌う。
相性
自然を敬い、島の古い暮らしや森を大切にする人
能力・特技
相撲を好み力比べをする人・獣・草木への変身指先・涎・皿の発光海と山を季節で往還する魚の目玉を好んで漁をする
弱点
  • 頭の皿の水が失われると無力化
  • 蛸(たこ)を嫌う
  • 悪口や臭いの語を忌む
生息地
奄美大島, 加計呂麻島, 徳之島, 沖永良部島, ガジュマルの古木

🔮妖怪相性診断

奄美ガジュマルの精・水蝹についてさらに詳しい情報や診断結果については、こちらをご覧ください。

出典・参考文献

1
  1. 南島雑話名越左源太((奄美の博物誌), 1855) [古典文献]幕末に薩摩から奄美大島へ流された名越左源太が記した博物誌。ケンムン(水蝹)を図入りで記録する。

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