彦山豊前坊
ひこさんぶぜんぼう
九州の天狗の頭目・彦山豊前坊
彦山豊前坊は、豊前国の英彦山(ひこさん)に座す大天狗であり、九州の天狗の頭目(元締)とされる。八大天狗の一に数えられ、室町期の謡曲『鞍馬天狗』に「筑紫には彦山の豊前坊」と唱えられる。 英彦山は、出羽三山・大峰とともに日本三大修験道の一とされる北部九州随一の修験霊場である。その名と所在の文献初出は、鎌倉期の縁起『彦山流記』(一二一三)で、英彦山の四十九窟のうち第十八「豊前窟」として豊前坊が記される。豊前坊は、現在の高住神社(福岡県添田町、江戸期まで「豊前坊」と称した)に祀られ、欲深い者には罰を、心正しき者には加護を与える賞罰両面の天狗として、九州の山岳信仰に深く根を張ってきた。