妖怪図鑑

日本の妖怪大百科

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536 妖怪|14 カテゴリ|23/23 ページ
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  • 冷蔵守

    冷蔵守

    一般

    れいぞうもり

    冷蔵庫マグネット付喪・冷蔵守

    住居・器物冷蔵庫に宿る付喪神を想定した近現代創作

    昔から団地やアパートに住む人々の間では「冷蔵庫のマグネットが勝手に落ちたり動いたら、冷蔵守の仕業だ」と囁かれてきた。 ある家では、夜中に冷蔵庫の扉を開けると、磁石の飾りが一つだけ別の場所に動いており、翌日その家の主人は冷凍庫の肉を使い忘れて腐らせてしまったという。 また別の家では、子供が夜中に冷蔵庫の前で泣いていたが、理由を聞くと「冷蔵庫から声がして、お菓子を食べろって言った」と答えたと伝わる。 こうした話から、冷蔵守は人の食のリズムを乱す現代の妖怪として知られるようになった。

  • 六右衛門

    六右衛門

    稀少

    ろくえもん

    阿波狸を束ねる総領·六右衛門

    動物変化徳島県

    津田浦に棲む阿波狸の総領·六右衛門の姿。四国じゅうの狸を束ねる総大将として君臨し、正一位の位階を競い合う狸の序列の頂に立つ老練の長である。かつて弟子として迎え、娘との縁組で跡目を継がせようとした金長を、その出奔の後にはやがて宿敵として勝浦川の岸辺で迎え撃つ。両軍六百匹余りが三日三晩を戦い抜いた大合戦の末、一騎討ちに敗れて散ったと伝わるが、その名は講談·映画·アニメへと語り継がれ、阿波狸合戦のもう一方の主役として今に残っている。

  • ろくろ首

    ろくろ首

    伝説

    ろくろくび

    飛頭蛮・抜け首(小泉八雲解釈版)

    人妖・半人半妖日本全国 ── 特定地を持たない人里の怪

    小泉八雲が世界に紹介し、中国の「飛頭蛮」の系譜を最も色濃く受け継ぐ、凄惨にして凶悪な「抜け首(飛ぶ首)」としての解釈版である。江戸期の見世物小屋で親しまれた「首が伸びるお化け」という滑稽なイメージとは完全に一線を画し、人間の血肉や虫を喰らう恐ろしい魔物として位置づけられる。 このバージョンにおけるろくろ首は、昼間はごく普通の人間に擬態しているが、夜間、眠りにつくと首だけが胴体から切り離され、空を飛び回って獲物を襲う。首の付け根には、切断されたことを示す赤い筋や「梵字(ぼんじ)」のような不気味な傷跡が隠されている。首が飛び去っている間の胴体は完全に無防備であり、もしその間に胴体を別の場所へ動かされたり、首の断面を隠されたりすると、戻ってきた首は肉体と再結合できずに地面に落ちて死滅してしまう。 その性質は極めて残忍で執念深く、獲物を見つけると歯を剥き出して群れで襲いかかる。しかし同時に、自らの意志とは無関係に夜な夜な首が抜け出てしまうという「業の深さ」を背負った哀れな被害者としての側面も併せ持つ。人間の内側に潜む「獣性」や「制御不能な抑圧された情念」が、肉体という檻を抜け出して物理的な暴力として顕現した、呪術的かつ心理的な恐怖の体現である。

  • わいら

    わいら

    珍しい

    わいら

    牛似の鉤爪獣・わいら

    山野の怪茨城県

    18〜19世紀の妖怪絵巻に基づく、解説文を伴わない像を再構成した準拠版。巨大な獣体の上半身のみが画かれ、左右の前肢に一本爪の大鉤を有する。体色は作例により暗緑から土色まで幅があるが一定せず、両生類的に見える作例もある。名称は恐れを意味する語義との連想が指摘され、『百怪図巻』『画図百鬼夜行』では「おとろし」と並置される。行動、生態、善悪は記されず、山間の不気味な存在として提示されるに留まる。民間伝承の具体像は未詳で、後代の補説は史料的裏付けに乏しいため採らない。

  • 忘れ物小僧

    忘れ物小僧

    一般

    わすれものこぞう

    物隠す悪戯小僧・忘れ物小僧

    人妖・半人半妖古典·民俗典拠なし、小僧系の近現代創作

    忘れ物小僧は、ランドセルやポケットから落ちた鉛筆や消しゴムなどを集め、自分の宝物にしてしまう。人が探し物で右往左往している姿を見るとケラケラ笑い、満足げに消えていく。 しかし、完全に意地悪というわけではなく、持ち主が本当に困って涙ぐむと、忘れ物をそっと机の上に戻すこともある。 古くは寺子屋の時代から存在し、子供たちの間で「忘れ物をすると小僧に持っていかれるぞ」と囁かれてきた。

  • 輪入道

    輪入道

    名妖

    わにゅうどう

    燃ゆる車輪の入道顔・輪入道

    住居・器物京都府

    鳥山石燕の図像に拠る像を基準とする解釈。夜道や辻にて、燃えさかる車輪が低空を巡行し、轂に据わった入道面が通行人を凝視する。視線を合わせたり恐怖に囚われると魂気を奪われ、茫然となると語られる。由来は京都の車輪怪談に遡り、片輪車と素材を共有する可能性が高いが、石燕は入道面を採用し男性像として定着させた。出自は不詳で、怨霊・付喪神・怪火のいずれとも断定できない。対処は戸口に「此所勝母の里」と認めた紙札を貼ること、あるいは直視を避け身を隠すこととされる。地域名や人名を特定する異聞は少なく、古典記録の範囲で語られる素朴な妖怪像が中核である。

  • 笑般若

    笑般若

    珍しい

    わらいはんにゃ

    角牙浮かぶ笑みの鬼・笑般若

    鬼・巨怪長野県

    江戸後期の浮世絵・戯画に見られる笑般若像を基礎にまとめた版本。角・牙・逆立つ髪、見開いた眼と引きつる笑みが核となる。手にするものはしばしば生と死を連想させ、観者に不安を与える意匠が施される。鬼女はもとは人であり、妬心・怨恨・執着が積もって変化すると解される点で、般若面の観念に通じる。具体的な土地伝承の細部は乏しいが、夜席の語り物や絵本で恐れと戒めの象徴として扱われ、女の怨の極相を示す図像として継承された。現地口承では名のみ残る例があり、像容の伝達は主として絵画資料に依拠する。

  • 和霊

    和霊

    名妖

    われい

    宇和島の御霊・山家清兵衛公頼

    霊・亡霊愛媛県

    和霊は、怨霊が御霊へ、そして守護神へと転化する御霊信仰の力学を、近世宇和島の歴史のなかで体現する存在である。生前の山家清兵衛は藩政改革に身を捧げた家老であり、その非業の死(和霊騒動)と、関与者を襲った落雷・海難の連鎖が、人々に祟りの実感を与えた。畏怖から祀られた霊は、無実が公に認められたことで性格を反転させ、「和霊さま」として漁業・産業を守る神格を得た。和霊神社の和霊大祭で練り歩く牛鬼の群れは、この御霊を慰め鎮める祭礼装置であり、宇和島では妖怪(牛鬼)と御霊(和霊)とが祭りのなかで分かちがたく結びついている。

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