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🔤 かな別妖怪図鑑

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陰摩羅鬼

陰摩羅鬼

稀少

おんもらき

屍気より生ずる怪鳥・陰摩羅鬼

動物変化宋『清尊録』鄭州崔嗣復の死気から生じた鳥、渡来

陰摩羅鬼(おんもらき)は、新しい死体から立ちのぼる気が変じて生ずるとされる鳥形の妖怪で、その典拠は中国の古書に遡る。鳥山石燕『今昔画図続百鬼』は雲気のたなびく堂内に羽を広げた怪鳥としてこれを描き、姿は鶴のごとく、全身黒く、眼は灯火のように赤く輝き、羽を震わせて甲高く鳴くと説く。石燕は仏典(大蔵経)に「新しき屍の気、陰摩羅鬼となる」と見える旨を踏まえ、死してまもない亡骸の気が凝って形をとったものと位置づけた。それゆえこの怪は、十分な供養を受けられぬ屍や、読経を怠った僧のもとに現れるとされ、寺院における死者供養と戒律の弛みを戒める象徴として理解された。名の由来には、仏道修行を妨げる魔物「摩羅(魔羅)」に「陰」「鬼」の字を添えて鬼魔の意を強めたとする説と、障害を意味する「陰摩」に「羅刹鬼」が混じったとする説とがあり、いずれも仏教的な悪鬼の連想を背負う。死と供養をめぐる仏教的観念が、鳥という具体的な形象へと結晶した怪異である。

怨霊

怨霊

伝説

おんりょう

御霊鎮めの怨霊

霊・亡霊京都府福岡県

怨霊は、非業の死を遂げた者や深い恨みを呑んで世を去った者の霊が、祟りをなして疫病・天災・政変を引き起こすとされる存在をいう。単に現れて訴える幽霊と異なり、怨霊は災厄の能動的な原因として畏れられ、その力を鎮め祀ることで守護神「御霊」へと転じうる両義性を本質とする。古代から中世の日本では、社会を襲う不可解な災いを死者の怨みによって説明する観念が広く共有され、恐怖と祭祀が表裏一体で語られてきた。 この体系の中核が御霊信仰である。怒れる霊を社寺に丁重に祀り、誦経・舞楽・雑伎などを捧げて慰撫すれば、祟る霊は転じて疫病や災いから人々を守る神になるという論理が、平安京の宮廷から地方へと広がった。疫神を祭場へ招いて饗応し、満足させて送り返すという去り神の作法は、のちの祇園御霊会(祇園祭)や各地の鎮花祭にも受け継がれ、都市の防疫と結びついて制度化されていった。個別の名をもつ歴史上の人物が忌むべき祟り神でありながら同時に篤い崇敬を集める例が多く、畏怖と帰依が分かちがたく結びつくのが、日本の怨霊観の際立った特徴である。

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