天保の奇談集『絵本百物語(桃山人夜話)』が描いた怪たち絵本百物語天保十二年(1841)に刊行された奇談集『絵本百物語』── 別名『桃山人夜話』は、桃山人(とうざんじん)が文を綴り、竹原春泉斎が彩色摺の挿絵を添えた、江戸後期を代表する妖怪本である。全国の伝承や巷説から選ばれた怪異を、情緒ゆたかな図と短い物語で紹介し、二口女・飛縁魔・舞首といった、後世まで語り継がれる妖怪像をこの一冊が決定づけた。海の怪魚から、業を負った者の亡霊まで ── ここに集うのは、春泉斎の筆が鮮烈な姿を与えた、奇談集生まれの妖怪たちである。二口女飛縁魔舞首朱の盆溝出水乞幽霊野鉄砲波山磯撫で赤えい