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絡新婦(じょろうぐも)

基本説明

絡新婦(じょろうぐも)は、実在する蜘蛛の名、女に化ける蜘蛛を語る近世怪談、鳥山石燕の図像、各地の蜘蛛淵伝説が重なって知られる妖怪である。どこか一つの滝に棲む一人の美女を指すのではなく、時代と資料によって姿も行動も異なる。「絡新婦」は文字どおり「人を絡める新婦」という意味で作られた妖怪名ではない。『和漢三才図会』は「絡新婦」を「ちょろうくも」と読み、「俗に女郎蜘蛛という」と記す。漢籍・本草に遡る蜘蛛名と、日本語のジョロウグモという呼称が交差した表記なのである。

蜘蛛が女の姿で現れる話は、石燕以前から確認できる。延宝5年(1677)刊『宿直草』では、子を抱いた若い女を怪しんだ侍が斬りつけ、翌日、天井裏で刀傷を負った女郎蜘蛛と多数の人の骸を見つける享保17年(1732)刊『太平百物語』では、作州高田の孫六が老女に招かれ、幻の屋敷で娘から結婚を迫られるが、逃げると自宅の縁側へ戻り、軒下の小さな女郎蜘蛛と大量の巣に気づく。孫六は食べられず、話の焦点は夢と幻にある。

鳥山石燕は安永5年(1776)初刊『画図百鬼夜行』で、長い髪と衣をまとう女体へ蜘蛛の脚を重ね、周囲に多数の小蜘蛛を配した姿を「絡新婦」と題した。小蜘蛛から糸、煙、炎のような線が伸びるが、説明の詞書はなく、琵琶を奏でる男誘いの場面でもない。国立国会図書館の文献調査でも、「美女が琵琶を聞かせて男を誘い、最後に食べる」という完全に一致する古典は確認されていない

水辺の絡新婦像は、さらに別の伝承層を持つ。蜘蛛が人の足へ糸を掛け、人が糸を木へ移すと木が水中へ引き込まれる「蜘蛛淵」の話は全国に分布する。浄蓮の滝では、この糸掛け型と、落とした鉈を美女が返し、秘密を破った男が命を失う禁忌型が結合して、現在知られる女郎蜘蛛伝説になった。原典ごとの差を残すと、絡新婦は単なる誘惑者ではなく、小さな蜘蛛への油断、夢と現実の境、水辺の地形と危険、名と絵が伝承をまとめてゆく過程まで映す妖怪として見えてくる。

民話・伝承

絡新婦の歴史は、妖怪の誕生譚より先に、蜘蛛の呼び名から始まる。古事類苑が引く本草・博物資料には、赤い斑を持つ蜘蛛を「絡新婦」と呼ぶ漢文の用例があり、『和漢三才図会』はこれを「ちょろうくも」と読み、俗称を「女郎蜘蛛」とする。したがって、「絡新婦」という三字を妖怪の性格説明として直訳するのは適切でない。「女郎」が遊女を指すから男を誘惑する、または「上臈」が高位の女性を指すから美しい女になる、という語源説もあるが、同時代の資料からはどちらか一説に決めることができない。

最も早い中核資料の一つが、荻田安静『宿直草』巻二第一「急なるときも思案あるべき事」である。夜、人里離れた場所にいた若い侍の前へ、十九、二十歳ほどの女が子を抱いて現れ、「あの人が父だ」と子に言い聞かせる。侍は突然の母子を怪しみ、化け物かもしれないと思案してから斬りつける。女は天井裏へ逃れ、翌日そこを調べると、刀傷を負った大きな女郎蜘蛛が死んでおり、周囲には人を食った跡が残る。この話で重要なのは、女が美貌で男を恋に落とすことではなく、急な出来事にも判断を失わなかった侍の機転である。舞台に滝や淵はなく、琵琶も出ない。

半世紀余り後の『太平百物語』は、蜘蛛女をまったく異なる調子で語る。作州高田の孫六は、夏の日に別宅の縁側でまどろんでいた。五十歳ほどの女に誘われ、立派な屋敷で十六、七歳ほどの娘と会う。娘は結婚を求め、孫六が妻の存在を理由に断ると、「一昨日、母を殺しかけたのに、今日は訪ねてきた」と訴える。孫六が逃げると屋敷は消え、彼は元の縁側に戻る。軒下には小さな女郎蜘蛛と驚くほど多くの巣があり、孫六は一昨日その蜘蛛を煙管で追ったことを思い出す。ここで蜘蛛は孫六を殺さない。老女と娘は、眠りの中で小蜘蛛の出来事を人間関係へ置き換える幻として現れる。物語の「作州高田」は、現在の岡山県真庭市勝山地域に当たる。ただし、屋敷の一点まで特定できるわけではない。

鳥山石燕『画図百鬼夜行』の「絡新婦」は、このような長い筋を説明せず、一図だけで女と蜘蛛を重ねる。衣をまとう長髪の女に蜘蛛の脚が重なり、周囲を小蜘蛛が取り巻く。小蜘蛛から伸びる曲線を炎と読む解説もあるが、原図には能力を説明する詞書がない。石燕は、実在の蜘蛛名として使われていた漢字表記を、見る者が一目で覚えられる女性的な怪異像へ定着させた。現代の絡新婦像に石燕の影響が大きい一方、石燕図そのものは住処、捕食法、性格、弱点までは伝えていない。

とくに注意したいのが楽器の話である。国立国会図書館レファレンス協同データベースの調査は、美女に化けた絡新婦が琵琶を聞かせ、男を誘惑して食べるという出典を探したが、完全に一致する話を見いだしていない。三味線を弾く蜘蛛女、盲目の琵琶法師と蜘蛛など、近い要素を持つ別の説話はある。しかし、『宿直草』の捕食痕、『太平百物語』の娘、石燕の女体、別話の楽器をつないで一つの古伝承にすると、出典の境目が消えてしまう。

水辺の糸掛け譚も、近世怪談と同じ人物の続編ではない。立石展大は全国66例の蜘蛛淵伝説を比較し、蜘蛛が男の体へ糸を掛け、男が木や切り株へ移すと、その木が水中へ引き込まれる型を抽出した。仙台の賢淵では「賢い」という水中の声が淵名の由来になる。1929年の採録要約は怪異を単に「蜘蛛」と記し、絡新婦という固有名を明記しない。後世に女郎蜘蛛伝説の代表地として紹介される姿と、古い採録に残る蜘蛛とは、同じものとして扱えない。

浄蓮の滝では、伝説が二重になっている。男の足へ掛かった蜘蛛の糸を桑の古株へ移す話に、木こりが滝壺へ落とした鉈を美女から返され、出会いを口外しないよう命じられる話が結び付く。秘密を破った木こりが死ぬ後半は、蜘蛛の糸を用いる前半とは別の「水の女」と禁忌の系列であり、二つが重なることで美女を女郎蜘蛛とする現在形が生まれた現在の浄蓮の滝は伊豆半島ジオパークのジオサイトで、約1万7千年前の溶岩流と柱状節理が作る滝としても説明される。怪談だけでなく、深い滝壺、急な斜面、水流という現実の場所を読むことが、伝説の働きを理解する助けになる。

実在のジョロウグモは、秋に大きな雌が目立ち、立体的な網を張る。国立科学博物館の自然教育園調査は、雌雄の大きな体格差、季節による体色の変化、前後の補助網を持つ三層の網構造を記録している。こうした生態は、蜘蛛の糸が人を捕らえるという想像に現実味を与えただろう。しかし、生物の網を観察した人がそのまま『宿直草』や蜘蛛淵伝説を作ったと証明するものではない。絡新婦の豊かさは、生物、書物、絵、土地の話が互いに似た糸を持ちながら、完全には同じにならないところにある。

妖怪カード5

絡新婦 を様々な画風のカードで

カード一覧

徹底解説

一本の伝記ではなく、
重なり合う蜘蛛美女

今日よく知られる絡新婦は、一冊の古典に完成した姿で登場する妖怪ではない。長い髪と女の身体、蜘蛛の脚、小蜘蛛の群れは鳥山石燕の図像に近く、母子の姿と天井裏の大蜘蛛は『宿直草』、老女と若い娘の幻は『太平百物語』、水辺で人へ糸を掛ける動作は各地の蜘蛛淵伝説に属する。時代も舞台も異なる像が重なり、一体の「蜘蛛美女」として見えるようになったのである。

天井裏へ消える母子

『宿直草』の女郎蜘蛛は、夜の家へ子を抱く若い女として現れる。女は子に侍を父と呼ばせるが、侍は突然の母子を怪しみ、急場にも思案して斬りつける。女が逃げ込んだ先は天井裏であり、翌日に見つかるのは刀傷を負って死んだ大蜘蛛と、人を食った痕跡である。母子という親しげな姿、家屋の上部へ消える動き、すでに人へ害を与えていた痕跡が、この話の怪異を形作る。恋慕や精気吸収ではなく、日常の家へ入り込んだ異形を人が見抜く物語である。

小蜘蛛が見せた婚姻の夢

『太平百物語』の孫六譚は、戦闘よりも夢と現実の揺らぎを描く。縁側でまどろむ孫六の意識に、老女、立派な屋敷、美しい娘、婚姻の申し出が現れる。娘の「母を殺しかけた」という恨みは、現実では孫六が小さな女郎蜘蛛を煙管で追った出来事に対応する。孫六が逃げると屋敷は消え、軒下の蜘蛛と大量の巣だけが残る。ここで蜘蛛が操るのは強靱な捕縛糸ではない。人間には取るに足らない小さな出来事を、屋敷と家族と婚姻からなる幻へ翻訳する力である。

蜘蛛の巣が張り巡らされた縁側に孫六が座り、周囲に小蜘蛛が描かれた『太平百物語』の挿絵
『太平百物語』「孫六女郎蜘にたぶらかされし事」
『太平百物語』「孫六女郎蜘にたぶらかされし事」の挿絵。縁側に座る孫六を蜘蛛の巣と小蜘蛛が囲む。幻の屋敷と娘が消えた後、現実に残ったのは軒下の小さな女郎蜘蛛と大量の巣だった。
伴祐佐作・高木幸助貞武画『太平百物語』巻四第三十三「孫六女郎蜘にたぶらかされし事」、享保17年(1732)、九州大学附属図書館所蔵、10コマ。

石燕が一図へ重ねた女と蜘蛛

鳥山石燕の「絡新婦」は、物語を語らず、一図の中で女と蜘蛛を同時に見せる。女の顔と衣の周囲へ多脚が張り出し、小蜘蛛からは糸、煙、炎にも見える曲線が伸びる。後世には火を吹く子蜘蛛と説明されることもあるが、石燕自身は能力を記す詞書を添えていない。小蜘蛛が実子なのか眷属なのか、命令を受けているのかも明らかでない。画面が伝えるのは、女体だけには収まらない脚の広がりと、小さな蜘蛛が群れる不穏な密度である。

長髪の女の身体に蜘蛛の脚が重なり、周囲を小蜘蛛が取り巻く鳥山石燕の絡新婦図
鳥山石燕『画図百鬼夜行』「絡新婦」
鳥山石燕「絡新婦」。女の身体に蜘蛛の脚を重ね、周囲に多数の小蜘蛛を配する。小蜘蛛から伸びる曲線は糸・煙・炎のようにも見えるが、図には能力を説明する詞書がない。見開きから「絡新婦」のある左頁を中心に掲載。
鳥山石燕『画図百鬼夜行』「絡新婦」、文化2年(1805)求版本(初刊安永5年〔1776〕)、国立国会図書館デジタルコレクション、PID 2553975、19コマ。

水辺で命を救う細い糸

水辺の糸は、近世の蜘蛛女とは別の伝承層から加わる。蜘蛛淵型では、蜘蛛が人の足や体へ何度も糸を掛ける。人がその糸を木や切り株へ移すと、木が大きな音とともに水中へ引かれ、身代わりになったことが分かる。人を救うのは剣や呪文ではなく、細い糸へ気づき、別の物へ移す機転である。蜘蛛そのものを倒す話ではなく、見落としそうな接触を察知した人が水底の力をかわす話なのである。

浄蓮の滝で結ばれた二つの伝説

浄蓮の滝の美女は、糸掛け型だけから生まれたものではない。木こりが滝壺へ落とした鉈を水辺の美女から返してもらい、出会いを口外しないと約束する話が重なっている。鉈、美女、口外禁忌、秘密を破った者の死という後半は、水の女をめぐる別系列である。蜘蛛の糸が示す水底の力と、美女が課す沈黙の約束が一つの場所で結ばれたことで、浄蓮の滝の女郎蜘蛛は現在の輪郭を得た。約束を破った者への死は、絡新婦全般の性格ではなく、この滝で育った禁忌の一部である。

深い緑と岩壁に囲まれ、青い滝壺へ流れ落ちる静岡県伊豆市の浄蓮の滝
浄蓮の滝
伊豆市の浄蓮の滝。女郎蜘蛛伝説では、足に掛かった糸を桑の古株へ移す蜘蛛淵型と、滝壺へ落とした鉈を美女が返す口外禁忌型が、この一つの場所で結び付いた。
Σ64「Joren Falls 02.jpg」(2010年3月1日)、Wikimedia Commons。

賢淵――怪異から水難除けへ

仙台の賢淵では、蜘蛛の意味が土地の中で変化した。古い採録で釣り人の足へ糸を掛けるのは、美女ではなく淵の「蜘蛛」である。男が糸を柳へ移すと木が引き込まれ、水中から「賢い」と声がした仙台市青葉区八幡五丁目では、のちに地域の人々が蜘蛛を祀り、水難除けの神として碑を建てた。水底から人を脅かす蜘蛛が、危険な淵を記憶し水難を避けるための祭祀へ移ってゆく。ここでは怪異を倒すのではなく、土地の守りへ読み替えた地域の歴史が見える。

妖艶だけでは捉えられない振る舞い

資料ごとに、蜘蛛の振る舞いは大きく異なる。『宿直草』の女は母子の姿で大胆に近づき、『太平百物語』の娘は婚姻を求めて言葉で訴える。石燕図の女は沈黙し、蜘蛛淵の蜘蛛は姿を見せるより先に細い糸で存在を知らせる。これらを重ねた時に浮かぶのは、単純な「妖艶で執拗な美女」ではなく、相手の反応を待ち、小さな接触から状況を変えてゆく観察者の印象である。それは古典に明記された一つの人格ではなく、異なる資料が交わる場所に生まれる現代的な解釈である。

生きたジョロウグモの網

実在のジョロウグモの雌は秋に大きく色鮮やかになり、前後の補助網を含む立体的な巣を作る。細い糸が何層にも重なる網、雌雄の大きな体格差、季節による体色の変化は、怪異としての絡新婦にも人面の大蜘蛛とは異なる視覚的な奥行きを与える。ただし、生きたジョロウグモそのものが人食いを行うわけではない。自然の蜘蛛と怪談の蜘蛛は、同じ名と糸を分け合いながら、異なる世界に属している。

黄色と黒の縞模様の腹部と長い脚を持ち、軒下の網にとまる雌のジョロウグモ
六義園で撮影された雌のジョロウグモ
六義園で撮影された雌のジョロウグモ。秋の雌は大きく色鮮やかになり、前後の補助網を含む立体的な網を作る。怪談の絡新婦と自然界のジョロウグモは同じ名を共有するが、別の存在である。
Nesnad「Jorogumo-rikugien-female-2009.jpg」(2009年10月28日、六義園)、Wikimedia Commons。

一本ずつ異なる糸

絡新婦には、すべての資料に共通する住処、武器、弱点、恋愛対象、食性、年齢があるわけではない。琵琶で男を誘い食べるという有名な筋も、『宿直草』と『太平百物語』のどちらにも、そのままの形では現れない。蜘蛛という小さな生き物が、母子の姿、婚姻の夢、水底の力、忘れがたい女体の図へ変わってきた。その一本ずつ異なる糸が見えることこそ、絡新婦という複合的な妖怪の特徴である。

妖怪設定

この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。

妖怪タイプ
伝統妖怪
カテゴリ
動物変化
レアリティ
伝説
性格
相手の反応を静かに待ち、わずかな接触から状況を変えてゆく観察者。大胆な母子、訴える娘、沈黙する蜘蛛女という複数の像が重なっている
相性
細かな違和感を見逃さず、一つの説明に決めつけず、異なる伝承の余韻を楽しめる人とは静かな距離を保ちやすい
能力・特技
若い女や母子の姿を取る(『宿直草』)老女・娘・屋敷からなる婚姻の幻を見せる(『太平百物語』)細い糸を繰り返し掛け、水辺へ引こうとする(蜘蛛淵型)女の身体と蜘蛛脚が重なる姿で現れる(石燕図像)多数の小蜘蛛を周囲に伴う(石燕図像)
弱点
共通の弱点は伝わらない。『宿直草』では侍の思案と刀、『太平百物語』では孫六の逃走と巣払い、蜘蛛淵型では糸を木へ移す機転が、それぞれ難を逃れる契機になる
生息地
物語によって異なる。『宿直草』では夜の家屋と天井裏、『太平百物語』では作州高田の縁側・軒下と幻の屋敷、蜘蛛淵型では川の淵や滝壺に現れる

出典・参考文献

11
  1. 神宮司庁編『古事類苑』動物部「蟲下」絡新婦項神宮司庁(国際日本文化研究センター古事類苑全文データベース, 明治29年(1896)以降刊) [名称資料・古典集成] 参考資料『和漢三才図会』『重修本草綱目啓蒙』などを引き、絡新婦・ちょろうくも・女郎蜘蛛の名称史を確認できる資料。
  2. 荻田安静『宿直草』巻二第一「急なるときも思案あるべき事」荻田安静(京都・西村九郎右衛門刊/富山大学ヘルン文庫所蔵, 延宝5年(1677)) [古典籍・一次資料]巻二第一の該当話で、子を抱く女、天井裏へ逃げる動き、刀傷を負った女郎蜘蛛、人を食った痕跡を確認できる。二尺は蜘蛛全体ではなく爪先の長さを述べる。
  3. 『太平百物語』巻四第三十三「孫六女郎蜘にたぶらかされし事」伴祐佐(作)/高木幸助貞武(画)(河内屋宇兵衛刊/九州大学附属図書館所蔵, 享保17年(1732)) [古典籍・一次資料]9–10コマに、作州高田の孫六、老女と娘の幻、婚姻の申し出、軒下に残る小さな女郎蜘蛛と大量の巣を収める。孫六は食べられず生還する。
  4. 鳥山石燕『画図百鬼夜行』前篇陰之巻「絡新婦」鳥山石燕(国立国会図書館デジタルコレクション, 安永5年(1776)初刊/文化2年(1805)求版本) [古典籍・一次図像]19コマ左頁に、女体へ蜘蛛脚を重ね、多数の小蜘蛛を配した「絡新婦」図がある。能力を説明する詞書や、琵琶を奏でる場面はない。
  5. 妖怪「絡新婦」の伝承に関するレファレンス事例同志社大学今出川図書館(国立国会図書館レファレンス協同データベース, 2009年受付/2011年更新) [図書館レファレンス] 参考資料美女に化けた絡新婦が琵琶を聞かせ、男を誘惑して食べるという完全一致の出典を調査し、中核古典から確認できないことを示すレファレンス記録。
  6. 蜘蛛淵伝説の形成―浄蓮の滝を例として―立石展大(『立教女学院短期大学紀要』44、1–14頁, 2012) [民俗学・研究論文] 参考資料全国66例の蜘蛛淵伝説を比較し、浄蓮の滝で糸掛け型と鉈・美女・口外禁忌型が結合した形成過程を検討する論文。
  7. 高田硯(県指定郷土伝統的工芸品)岡山県(岡山県公式サイト, 2016年更新) [自治体資料] 参考資料作州高田と現在の岡山県真庭市勝山地域との対応を確認するための自治体資料。『太平百物語』の屋敷の一点を示す資料ではない。
  8. 怪異・妖怪伝承データベース「クモ」ID 1230055国際日本文化研究センター(怪異・妖怪伝承データベース/『旅と伝説』2巻8号, 1929年原資料) [民俗伝承データベース] 参考資料賢淵で釣り人の足へ蜘蛛が糸を掛け、柳へ移すと木が引き込まれ、水中から「賢い」と声がする話。古い要約は絡新婦の固有名を記さない。
  9. 浄蓮の滝伊豆半島ジオパーク(伊豆半島ジオパーク公式サイト) [公式地理資料] 参考資料浄蓮の滝の所在地、約1万7千年前の溶岩流、柱状節理などを説明し、伝承地の地理的実在を確認できる公式資料。
  10. 自然教育園におけるジョロウグモの観察渡邊昭廣(『自然教育園報告』47、国立科学博物館, 2016) [自然史・調査報告] 参考資料実在種の季節変化、雌雄差、体色、前後の補助網を持つ三層の網構造を記録した調査報告。妖怪伝承との直接因果を証明する資料ではない。
  11. 『KOREMITE』vol.5 賢淵・蜘蛛碑解説東北学院大学博物館(東北学院大学博物館, 2019) [大学博物館資料] 参考資料仙台市青葉区八幡五丁目の賢淵、蜘蛛碑、地域の蜘蛛祭祀、水難除けへの受容を解説する大学博物館資料。

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