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妖怪図鑑

日本の妖怪を名前・種類・土地から探す

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鬼・巨怪
  • 味噌五郎

    味噌五郎

    稀少

    みそごろう

    島原半島の心優しき巨人・味噌五郎

    鬼・巨怪長崎県

    味噌五郎は雲仙岳に腰を下ろし有明海で顔を洗うほどの巨体を持ち、その一挙手一投足が島原半島の地形を刻んだとされる。高岩山に踏ん張った足型が諏訪の池となり、耕作時に放り投げた土が湯島(談合島)となった ── こうした地名起源譚の連なりが、彼を単なる怪異でなく半島の風景を産んだ造化の巨人へと押し上げている。一日四斗の味噌を舐めるという破格の食は、巨人の身体を土地の生活物資で計る素朴な語り口であり、味噌を醸す半島の暮らしと不可分に結びつく。だいだらぼっち型の巨人譚に連なりつつ、害意なく人を助ける温厚さで語られる点が島原半島版の独自性で、今日も南島原市の郷土の象徴として像や祭りに生きている。

  • 紅葉狩

    紅葉狩

    珍しい

    もみじがり

    戸隠山の鬼女紅葉・紅葉狩

    鬼・巨怪長野県

    室町から江戸にかけての能・浄瑠璃・歌舞伎で定着した鬼女像。紅葉見物を口実に都人風の女房や姫君の一行として現れ、器楽や舞で油断を誘う。酒宴で武士を酔わせるが、夜半、神の加護や霊剣により正体を見破られ、戸隠山中で本性を顕す。名は一般に紅葉とされ、作品により更科姫などの異名も見える。退治譚は武徳の顕彰と山岳の畏れを映し、戸隠信仰や鬼退治譚の語法を継承する。舞台芸能では前場の艶やかな仮の姿と、後場の荒々しい鬼相の対照が特徴。

  • 羅城門の鬼

    羅城門の鬼

    名妖

    らじょうもんのおに

    渡辺綱に腕斬らるる・羅城門鬼

    鬼・巨怪京都府

    羅城門や都の辺境に現れる鬼として武士の武威を際立たせる存在。中世軍記・能楽により舞台や細部が異なる複数の語りが伝わるが、核心は「武者が門(あるいは橋)で鬼と一騎打ちし、腕を落とす」点にある。腕は不浄と霊威の象徴として扱われ、後日の奪還譚と結び付く。茨木童子との混交は近世以降の整理過程で強まり、名や場所の転位が生じたが、総体として都の境域にひそむ異界的脅威を体現する。図像では鉄杖・角・赤黒い肌、乱髪で描かれ、荒天や黒雲の演出が定番。武家譚・能楽・絵巻に根ざした表象が現在まで影響している。

  • 両面宿儺

    両面宿儺

    伝説

    りょうめんすくな

    正史と寺伝を背中合わせに映す両面宿儺

    鬼・巨怪岐阜県

    『日本書紀』に、一体二面、四手で弓矢を用いる飛騨国の「宿儺」として記された異形の人物。皇命に従わず人民を掠略したため難波根子武振熊に誅された一方、後世の飛騨・美濃では、千光寺の開山者、善久寺の観音示現、日龍峯寺の龍退治者として語り継がれた。円空像では二つの顔を左右へ並べた信仰像となる。

  • 笑般若

    笑般若

    珍しい

    わらいはんにゃ

    角牙浮かぶ笑みの鬼・笑般若

    鬼・巨怪長野県

    江戸後期の浮世絵・戯画に見られる笑般若像を基礎にまとめた版本。角・牙・逆立つ髪、見開いた眼と引きつる笑みが核となる。手にするものはしばしば生と死を連想させ、観者に不安を与える意匠が施される。鬼女はもとは人であり、妬心・怨恨・執着が積もって変化すると解される点で、般若面の観念に通じる。具体的な土地伝承の細部は乏しいが、夜席の語り物や絵本で恐れと戒めの象徴として扱われ、女の怨の極相を示す図像として継承された。現地口承では名のみ残る例があり、像容の伝達は主として絵画資料に依拠する。

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