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羅城門の鬼

らじょうもんのおに

羅城門の鬼

羅城門の鬼

この子の魂が、あなたの言葉に応える

基本説明

平安京の正門・羅城門に巣食ったと語られる鬼。源頼光の家臣渡辺綱がただ一騎で確かめに赴き、激闘の末に鬼の片腕を斬り落としたとする説話で知られる。もっとも、原拠の『平家物語』剣巻では舞台は一条戻橋であり、これを羅城門へ移したのは室町後期の謡曲『羅生門』である。腕を奪い返しに来る後日譚は茨木童子の説話へと分化し、後世しばしば茨木童子と同一視された。鳥山石燕も『今昔百鬼拾遺』に羅城門の鬼を描く。

民話・伝承

『平家物語』剣巻では、一条戻橋で美女に化けた鬼が渡辺綱を攫おうとし、綱は名刀で片腕を斬り落とす。鬼は時節を待って取り返すと叫んで退き、のち老女(綱の養母)に化けて訪れ、腕を奪い返して飛び去る。謡曲『羅生門』は、宴席で鬼の噂を聞いた綱が単騎で羅城門へ向かい、突風の中で鬼と相対して腕を斬る場までを門に置き、報復譚は別曲『茨木』が扱う。なお『今昔物語集』巻29の羅城門説話は、楼上で死人の髪を抜く老婆と盗人を描く別話で、芥川龍之介『羅生門』の原拠であり、綱の鬼退治譚とは系統を異にする。両者の混同には注意を要する。

徹底解説

羅城門や都の辺境に現れる鬼として武士の武威を際立たせる存在。中世軍記・能楽により舞台や細部が異なる複数の語りが伝わるが、核心は「武者が門(あるいは橋)で鬼と一騎打ちし、腕を落とす」点にある。腕は不浄と霊威の象徴として扱われ、後日の奪還譚と結び付く。茨木童子との混交は近世以降の整理過程で強まり、名や場所の転位が生じたが、総体として都の境域にひそむ異界的脅威を体現する。図像では鉄杖・角・赤黒い肌、乱髪で描かれ、荒天や黒雲の演出が定番。武家譚・能楽・絵巻に根ざした表象が現在まで影響している。

妖怪設定

この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。

妖怪タイプ
伝統妖怪
カテゴリ
鬼・巨怪
レアリティ
名妖
性格
猛々しく執念深いが、時を待つ狡知を備える
相性
勇士・武芸者と相克し、都人を畏れさせる
能力・特技
剛力で武者と互角に渡り合う鉄杖・怪力による打擲変化して人を欺く(老女などの姿)暴風や黒雲とともに現れると畏れられる
弱点
名刀による一撃や法力に屈する, 斬り落とされた腕を封じられると力が削がれる
生息地
平安京・羅城門周辺, 都の境域・橋上(伝本による)

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出典・参考文献

4
  1. 平家物語『剣巻』(綱の鬼斬り)(軍記、異本所収)((『平家物語』剣巻・源平盛衰記系), 鎌倉-室町期) [古典文献]
  2. 羅生門(謡曲)観世信光(伝)((能・五番目物), 室町後期) [古典文献]平家物語剣巻の綱の鬼退治譚を舞台を羅城門に移して脚色した能。渡辺綱が羅城門で鬼と戦い片腕を斬る場を描く。
  3. 今昔百鬼拾遺鳥山石燕(安永10年(1781年)) [古典文献]
  4. 今昔物語集(巻二十九第十八)編者未詳((平安末期の説話集), 12世紀前半) [説話集]羅城門上で死人の髪を抜く老婆と盗人を描く説話。鬼退治譚とは別話で、芥川龍之介『羅生門』の原拠。混同に注意。

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