基本説明
隠里は、人の世から隔てられた山間や谷奥にひそむ、目に触れにくい集落・境域を指す観念で、妖怪的存在として絵画化された呼称。鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』の図では「隠れ里」の暖簾が掲げられ、福を招く鼠や小判が配される。人の縁が薄れると忽然と現れ、時に富や食を施し、時に跡形なく消える結界の象徴として描かれる。
民話・伝承
日本各地の山中・谷筋には、外部の者が迷い込むと豊饒なもてなしを受けるが、帰路につけば再び道は閉ざされるという「隠れ里」譚が伝わる。訪れた者が土産を持ち帰ると翌日には木葉や石に変わる例、逆に慎み深い客へは福が続く例などがある。鼠が地中から財をもたらす話型(鼠浄土)とも連想的に結び付けられる。
コレクション収録
この妖怪は以下のコレクションに収録されています:
徹底解説
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』の「隠れ里」を典拠とする解釈。画面右下の鼠と小判は、地下の鼠が福財を運ぶとする説話(いわゆる鼠浄土譚)を想起させ、里と冥・地下的世界の連関を示唆する。暖簾に「嘉暮里(かくれざと)」と掲げ、里が日常の延長に突然口を開く結界であることを表現している。隠里は特定の個体妖怪ではなく、境界そのものが意志をもつかのように働く存在で、道迷い・時のずれ・福授与・顕現と消失を反復する。入る者の言動や欲深さに応じて、手厚い饗応から財の変質(木葉化)まで結果が振れる点が特徴であり、山中異界譚や他界観と響き合う。
妖怪設定
この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。
- 性格
- 外縁には中立的、内部では来訪者の心根に応じて寛容
- 相性
- 慎ましさ・礼節を保つ者と相性がよい
- 能力・特技
- 境界の迷いを起こす来訪者の時間感覚を曖昧にするつかの間の富や糧を与える姿を隠し集落ごと消える
- 弱点
- 礼を失し欲に走る者には恩寵が続かない, 里の規矩を破ると道が閉ざされる
- 生息地
- 山間の谷奥, 里山の境目, 霧深い峠道
このタイプの妖怪に興味がある?
妖怪診断で、あなたの性格に最も近い妖怪を発見しましょう
妖怪診断を始める