神格
伝統妖怪

厳魂彦命

いづたまひこのみこと

厳魂彦命

厳魂彦命

この子の魂が、あなたの言葉に応える

基本説明

厳魂彦命 (いづたまひこのみこと) は、金刀比羅宮の奥社·厳魂神社 (いづたまじんじゃ) に祀られる祭神で、その正体は戦国末期に金毘羅信仰を中興した修験者·金剛坊宥盛 (こんごうぼうゆうせい) である。 金光院第四代院主であった宥盛は、慶長十八年 (1613)「死して永く当山を守護せん」と言い残し、天狗と化して忽然と姿を消したと伝えられる。すなわち実在の高僧が死後に天狗·護法神となり、山の守護神へと昇華した稀有な神格である。 宥盛は生前の慶長十一年 (1606)、自らの像を造って本殿脇に祀らせており、これがのちに奥社祭神·厳魂彦命の起源となった。奥社は標高 421m、本宮から石段 1368 段の峻険な山上に鎮座し、金刀比羅宮に次ぐ霊地として崇敬される。

民話・伝承

厳魂彦命の正体である金剛坊宥盛は、戦国末期から江戸初期にかけて象頭山·金毘羅信仰を再興した実在の修験者である。 金光院第四代院主として、神仏習合と修験道の体系のもとで金毘羅大権現の祭祀を整備し、信仰の中興の祖と仰がれた。宥盛は和漢の神仏の学を早くから修め、「宥盛」と号して高野山で修行を積んだ学僧でもあった。

慶長十一年 (1606)、宥盛は自らの像を造らせ本殿の脇に祀った。そして慶長十八年 (1613)、臨終に際して「死して永く当山を守護せん」と誓い、天狗となって忽然と姿を消したと伝えられる。死後、その霊は護法神·金剛坊として祀られ、象頭山を守護する天狗として畏敬を集めた。 この金剛坊 (金毘羅坊) は、白峯山の相模坊·中将坊と並んで「讃岐三大天狗」の一に数えられる

奥社·厳魂神社の背後にそびえる断崖「威徳巖 (いとくのいわ)」は、厳魂彦命 (宥盛) が参籠した旧跡と伝えられ、崇徳上皇もここで参籠したとの伝承もある。断崖の上方には天狗と烏天狗の彫物が刻まれている。明治の神仏分離 (1868) を経て、護法神·金剛坊宥盛は神道神格「厳魂彦命」として再定義され、奥社は「厳魂神社」と称されて現在に至る。社頭では天狗·烏天狗を意匠した「天狗御守」が授与され、宥盛が天狗と化した伝承を今に伝えている。海上守護神·金毘羅を主祭神とする金刀比羅宮にあって、山岳修験·天狗信仰の系譜を体現するのがこの厳魂彦命であり、海の神と山の天狗が一山に共存する象頭山信仰の二重性を象徴する存在である。

徹底解説

厳魂彦命は、実在の高僧·金剛坊宥盛 (金光院第四代院主、 1613 年没) が死後に天狗·護法神となり、さらに明治の神仏分離を経て神道神格へと再定義された、三段階の昇華をたどる稀有な神格である。渡来の水神 (クンビーラ) を起源とする主祭神·金毘羅 (大物主神) が「海上守護」を司るのに対し、厳魂彦命は「山岳修験·天狗信仰」の系譜を体現する。一山のうちに海の神と山の天狗が同居する象頭山信仰の二重構造を、主祭神と奥社祭神という形で示している点に、この神格の宗教史的な重要性がある。奥社·厳魂神社は本宮から 1368 段·標高 421m の山上に鎮座し、金刀比羅宮に次ぐ霊地とされる。

妖怪設定

この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。

性格
高野山に学んだ学僧の沈毅さと、山を永く守護せんとする護法神の峻厳さを併せ持つ。信仰を中興した中興の祖らしく、道を求める者を導き、山を守る。
相性
修験者·先達·金毘羅信仰の篤信者と縁が深い。困難な道を登りきる意志を持つ参詣者を守護する。
能力・特技
象頭山の永久守護 (臨終の誓いによる護法)天狗の通力 (飛行·神変)修験者·参詣者の導き金毘羅信仰の中興 (生前の事績)
弱点
もとは実在の人間 (修験者) であり、渡来神·クンビーラを起源とする主祭神·金毘羅に対しては奥社祭神 (相対的に従属する地位) として位置づけられる。
生息地
象頭山·奥社厳魂神社 (標高 421m) と、その背後の断崖·威徳巖。

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出典・参考文献

4
  1. 金刀比羅宮奥社·厳魂神社縁起 (金剛坊宥盛·厳魂彦命)金刀比羅宮(金刀比羅宮 (公式)) [公式資料]厳魂彦命=金剛坊宥盛 (金光院第四代院主) が慶長十八年 (1613)「死して永く当山を守護せん」と言い残し天狗と化した縁起を伝える公式資料。
  2. 金剛坊宥盛自像奉祀 (慶長十一年 1606)(金毘羅権現·神道史, 1606) [事典·概説]宥盛が慶長十一年 (1606) に自らの像を造って本殿脇に祀ったとの記録。のちの奥社祭神·厳魂彦命の起源。
  3. 讃岐三大天狗 (金毘羅坊·白峯相模坊·中将坊)(民俗·郷土史) [民俗伝承] 参考資料讃岐の三大天狗 ── 象頭山の金毘羅坊 (金剛坊)、白峯山の相模坊、中将坊 ── を総称する郷土の伝承枠組み。
  4. 金刀比羅宮奥社威徳巖 (参籠旧跡·天狗彫物)金刀比羅宮(金刀比羅宮 (公式)) [公式資料]奥社背後の断崖·威徳巖は厳魂彦命 (宥盛) の参籠旧跡で、崇徳上皇参籠の伝承もあり、断崖上方に天狗·烏天狗の彫物が刻まれていると記す。

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