
猿神山中の生贄要求・猿神
さるがみ
詳細説明
中世の猿神は、山の神格とサルの怪異が混交した存在として語られる。山域を支配し、生贄を所望する「年中行事」のような要求は、古層の神婚儀礼の反映と見なされる一方、物語化の過程で暴虐な妖怪像が強調された。退治譚では、通りすがりの猟師や法力ある僧が身代りとなり、訓練された犬が決定的な役割を果たす型が反復される。敗北した猿神が神職に憑いて赦しを請う転回は、神霊性の残滓を示す。地域によっては憑き物として伝わり、発作的な荒れや暴れを猿神の祟りとした。近世怪談では人肉を食らう兇性と、尻を撫でる滑稽さが併置され、サルへの軽侮と畏怖の両義性が描かれる。
出典情報
種類全体の出典primary
日吉大社の神猿(まさる)
著者: (日吉大社)
年代: 古代以来
出版社: (山王信仰・神猿信仰/七猿歌は天禄4年〈973〉)
種類全体の出典reference
今昔物語集 巻二十七 第二十二話「猟師母成鬼擬噉子語」
著者: (編者未詳)
年代: 平安後期 (12 世紀初)
出版社: (説話集)
種類全体の出典primary
猿神伝承(藤袋草子・憑き物ほか)
著者: (各地伝承)
年代: 中世以来
出版社: (御伽草子『藤袋草子』・備前/木頭の猿神憑きほか)
種類全体の出典primary
宇治拾遺物語(巻十第六「吾嬬人、生贄を止むる事」)
著者: 編者未詳
年代: 13世紀前半(鎌倉初期)
出版社: (鎌倉初期の説話集)
性格
尊大で執着心が強いが、神威に通じる畏れを持たれる
相性
犬を嫌い、人の女を好むとされた
能力・特技
弱点
犬に弱い, 法力・祈祷による制止, 油断時の袋・櫃への誘導
診断評価
妖怪バウンダリー・タイプ指標
いたずら濃度
3.0high: 戯 low: 護
📝 メモ
女を攫い、人への憑依や暴虐で共同体を脅かす。
変化適応
1.0high: 化 low: 定
📝 メモ
猿の怪と山神が混交し、神職への憑依も示す。
夜話度
1.0high: 夜 low: 昼
📝 メモ
山の怪として夜話性はあるが、夜専属ではない。
情の深さ
2.0high: 縁 low: 境
📝 メモ
生贄要求や憑依により、人と村へ執着的に関わる。
結界強度
3.0high: 律 low: 流
📝 メモ
禁足の峰や山野の社を領分とし、山村との境を支配する。
表舞台圧
3.0high: 表 low: 影
📝 メモ
山域を支配し、生贄を要求する神霊として村に強く迫る。
妖怪相性診断
喜び
2.5喜びと楽しさの程度
📝 メモ
滑稽要素は近世怪談にあるが、喜悦性より暴虐性が目立つ。
怒り
8.0怒りの激しさの程度
📝 メモ
祟り・荒れ・暴れの性質が強く、退治譚でも激しい抵抗を示す。
慈悲深い
1.5慈悲深さの程度
📝 メモ
降伏し赦しを請う場面はあるが、基本は生贄要求や攫取で慈悲性は低い。
憂鬱
3.5憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ
憂いの描写は乏しいが、神婚儀礼の残滓や降伏後の悔恨にわずかに感じられる。
静寂
2.0内なる平静の程度
📝 メモ
発作的な荒れや祟りが語られ、内的静けさは低い。
いたずら好き
3.0いたずら好きで活発な程度
📝 メモ
尻を撫でるなどの滑稽さが一部伝承にあるが、主調は凶性。
やさしい
1.0やさしく親しみやすい程度
📝 メモ
女性の生贄を求め人に害をなす描写が中心で、親和・温和性は低い。
厳格
6.0厳格で真面目な程度
📝 メモ
年中行事のような生贄要求や山域の規範を強制する点で厳格さがある。
守護的
2.0他者を守る傾向
📝 メモ
山域支配はあるが人間を守護する振る舞いは少なく、むしろ加害的。
神秘的
7.5神秘的で不思議な程度
📝 メモ
神使・山の神格と猿怪が混交し、憑依や結界保持など神秘性が強い。
霊性の深さ
7.0精神的境界の深さ
📝 メモ
神霊・神格性、憑依・言語要求、降伏儀礼など宗教的層が厚い。
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