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玉藻前 鳥羽院寵愛の九尾狐・玉藻前
伝説
寵姫に化けた妖狐

玉藻前鳥羽院寵愛の九尾狐・玉藻前

たまものまえ

動物変化🏞️ 宮中, 清涼殿, 下野国那須野

詳細説明

この版では、玉藻前が正体を暴かれ、討たれるまでの顛末に目を向ける。鳥羽上皇の病がいよいよ重くなったとき、占いを命じられた陰陽師の安倍泰成(史実の安倍泰親がモデルとされる)は、病の元が玉藻前その人であることを言い当てた。泰成が宮中で祈祷を行って追いつめると、玉藻前はついに人の姿を保てなくなり、狐の正体をあらわして都から東へと逃げ去る。

逃げ込んだ先は、下野国の那須野(いまの栃木県那須一帯)であった。野に潜んで人や家畜を害する妖狐を退治するため、朝廷は東国の武士、上総介広常と三浦介義明らを差し向ける。武士たちは野を囲んで狩り立て、ついに矢で狐を射倒したと伝わる。玉藻前を仕留めたこの武士たちの名は、源平のころに実在した坂東武者のものと重なっており、伝説と史実が地続きに語られているのがおもしろい。

物語のなかで玉藻前は、たいてい「傾国の美女」――その美しさと知恵で国の頂点に取り入り、内側から傾けてしまう者――の代表として描かれてきた。しかしその一方で、討たれたのちには祠に祀られ、神として手を合わせられてもきた。恐ろしい妖狐でありながら、どこか心を惹かれずにいられない。この二面性こそが、玉藻前を単なる悪役で終わらせず、長く愛されつづける存在にしている。

出典情報

種類全体の出典reference

絵本三国妖婦伝

著者: 高井蘭山

年代: 1803-1805

出版社: (江戸期読本)

信頼度: A関連度:

種類全体の出典primary

玉藻前曦袂

著者: 浪岡鯨児・浅田一鳥・安田蛙文ほか

年代: 1751

出版社: (人形浄瑠璃・豊竹座初演)

信頼度: A関連度:

種類全体の出典primary

玉藻稲荷神社 縁起

出版社: 栃木県大田原市

信頼度: B関連度:

種類全体の出典reference

玉藻の草子

著者: 著者不詳

年代: 室町時代

出版社: (御伽草子)

信頼度: A関連度:

種類全体の出典primary

玉藻前はいつから九尾の狐になったのか

著者: 寺島修一

年代: 2018

出版社: 武庫川女子大学

信頼度: A関連度:

種類全体の出典primary

今昔画図続百鬼「逢魔時」

著者: 鳥山石燕

年代: 安永8年(1779)

出版社: 江戸東京博物館所蔵・国文学研究資料館国書データベース

信頼度: A関連度:

種類全体の出典primary

神明鏡

年代: 天文9年(1540年)

参照: p.66

信頼度: A関連度:

性格

才知と美貌で人の心をつかむ一方、目的のためには帝さえ蝕む冷徹さを秘める。表向きは優雅で物柔らかく、内には誰にも折れない執念を抱く。

相性

権勢の中枢、雅な宮廷、人の慢心や欲に近いほど力を増すとされる

能力・特技

絶世の美女に化ける博識と弁舌で君寵を得る妖気で人を病ませる幻術で人心を惑わす

弱点

陰陽師の祈祷・占いに正体を暴かれる / 神仏の加持・調伏 / 水面や鏡に本性が映る

コレクション収録

この妖怪は以下のコレクションに収録されています:

診断評価

🔮

妖怪バウンダリー・タイプ指標

いたずら濃度
3.0

high: 戯 low: 護

📝 メモ

美女に化けて君寵を得、妖気で病ませ幻術で惑わす。

変化適応
3.0

high: 化 low: 定

📝 メモ

九尾狐が絶世の美女に化ける変化能力が核心である。

夜話度
1.0

high: 夜 low: 昼

📝 メモ

狐妖の怪異性はあるが、夜限定の出没ではない。

情の深さ
2.0

high: 縁 low: 境

📝 メモ

鳥羽院の寵愛を利用し、宮中への執念と逃走の物語を持つ。

結界強度
0.0

high: 律 low: 流

📝 メモ

宮中から那須野へ移る流動性が強く、縄張り守護は薄い。

表舞台圧
3.0

high: 表 low: 影

📝 メモ

宮中の寵姫として表舞台に立ち、正体暴露後も那須野で大事件化する。

🔮

妖怪相性診断

喜び
2.5

喜びと楽しさの程度

📝 メモ

享楽・策謀の愉悦は示唆されるが、喜びを前面に出す描写は少ない。

怒り
7.5

怒りの激しさの程度

📝 メモ

討伐に対し暴威をふるい、怨念が殺生石として残るなど怒りの強度が高い。

慈悲深い
1.5

慈悲深さの程度

📝 メモ

教訓譚では権勢と欺瞞の象徴で、慈悲の発露は乏しい。

憂鬱
4.5

憂鬱で思慮深い程度

📝 メモ

退治後の怨霊化や供養譚に哀切が滲むが、物語の主調ではない。

静寂
3.0

内なる平静の程度

📝 メモ

冷然さはあるが内的平安というより計略と執念が前面。

いたずら好き
3.0

いたずら好きで活発な程度

📝 メモ

狐譚特有の戯れはあるが、本伝承は悪性と策謀が中心で軽い悪戯性は低め。

やさしい
1.0

やさしく親しみやすい程度

📝 メモ

宮廷で人心を惑わし病禍をもたらす存在として描かれ、親和・温和性は低い。

厳格
6.0

厳格で真面目な程度

📝 メモ

冷然・執念深く目的遂行に厳格な面がうかがえるが、規律的道徳性とは異なる。

守護的
1.5

他者を守る傾向

📝 メモ

守護的役割はほぼなく、退治譚の敵役。稀に供養縁起で鎮まりの説もあるが周縁的。

神秘的
9.0

神秘的で不思議な程度

📝 メモ

絶世の美女の仮面と九尾の正体、幻術・惑乱、殺生石伝承など神秘性が極めて高い。

霊性の深さ
8.5

精神的境界の深さ

📝 メモ

陰陽道・仏法・退治儀礼・霊石譚と深く結節し、宗教的・霊的層が厚い。

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