紙舞は独立した実体というより、家内で紙類が自発的に舞い散る怪異の呼称として後年に整理された概念である。典拠とされる藤沢衛彦は神無月の出現とするが、その挿絵は『稲生物怪録』の一場面の流用であり、原史料自体は特定の月に限定しない。昭和以降の民俗・怪談書で、証文や原稿が舞い上がる事例が「紙舞」と名づけられ紹介されるが、実見談としての信憑性や地域分布は確定していない。従って本項では、住居・器物にまつわる不可解な動作(紙の自走・浮遊)を示す総称的妖怪像として扱い、固有の姿形や明確な起源地は「不詳」とする。伝承上は人畜に害をなす描写は少なく、驚愕・嘲弄の性格を帯びる程度にとどまる。
妖怪設定
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