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猫又 古猫変化の二股尾・猫又
伝説
家由来の変化

猫又古猫変化の二股尾・猫又

ねこまた

動物変化🏞️ 民家の座敷まわり, 納屋や囲炉裏端, 路地や寺社の境内

詳細説明

長年人家に飼われたネコが齢を重ね、その尾が二股に裂けることで「経上がり」、言語と妖火を操る力を得た姿。種族全体で語られる「山中の猛獣」としての顔を捨て、人間と生活空間を共有する「家妖(かよう)」としての性質を極めた解釈版である。

この版の猫又は、夜更けになると後脚で立ち上がり、頭に手拭いを被って囲炉裏の陰で踊り狂うとされる。この奇妙な踊りは、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』に描かれた姿が発端となり、本来は恐ろしい化け猫の伝承に、どこか滑稽で人間臭い愛嬌を付与することになった。また、この猫又は人の貌(顔)や声色を巧みに模写して家人を騙す。特に老女の姿に化けることが多く、これは長年家を切り盛りしてきた女主人の権力や影の威圧感を、老猫の姿に仮託したとも解釈される。

伝承には明確な二面性があり、家主がネコを粗略に扱ったり、理不尽に殺めたりした場合は、執念深い祟り神となって家に怪火(猫またの火)を放ち、家系を没落させる。一方で、手厚く慈しまれた猫又は、その魔性を「家を守る」ために使う。佐脇嵩之の『百怪図巻』などに描かれるように、三味線を弾く芸妓に化けて恩人の窮地を救ったり、家に入り込もうとする別の悪鬼や病魔(穢れ)をその妖火で威嚇し、焼き尽くしたりするという善性の伝承も残されている。彼らにとって二股の尾は、単なる異形の証ではなく、一本が「人間への恩(または怨み)」を、もう一本が「獣としての魔性」を象徴するアンテナのような役割を果たしている。

出典情報

種類全体の出典primary

妖怪学の基礎知識

著者: 小松和彦

年代: 2011

出版社: 角川学芸出版

信頼度: S関連度:

種類全体の出典primary

明月記

著者: 藤原定家

年代: 1180-1235

出版社: (鎌倉前期・日記)

信頼度: A関連度:

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徒然草(第十九段)

著者: 吉田兼好

年代: 14世紀前半(鎌倉末〜南北朝期)

出版社: (随筆/煙々羅詞書の典拠とされる、近藤瑞木の指摘)

信頼度: A関連度:

種類全体の出典primary

大和怪異記

著者: 未詳

年代: 1708

出版社: 江戸期の怪談集

信頼度: B関連度:

種類全体の出典primary

妖怪図巻

著者: 京極夏彦 文 ; 多田克己 編・解説

年代: 2000年6月

出版社: 国書刊行会

信頼度: B関連度:

種類全体の出典primary

画図百鬼夜行

著者: 鳥山石燕

年代: 安永5年(1776年)

出版社: 国文学研究資料館国書データベース(東京藝術大学附属図書館所蔵)

信頼度: A関連度:

種類全体の出典primary

百怪図巻

著者: 佐脇嵩之

年代: 元文2年(1737年)

出版社: 福岡市博物館(DNPアートコミュニケーションズ画像提供)

信頼度: A関連度:

性格

気まぐれで執念深いが恩に報いる

相性

慎みと礼を尽くす者と相容れ、粗略に扱う者を厭う

能力・特技

妖火を点ずる人語を解し人に化ける影や気配を操る病や穢れをなだめる

弱点

祝詞や読経に弱る, 尾を縛られると力が落ちる, 強い犬を忌む

コレクション収録

この妖怪は以下のコレクションに収録されています:

診断評価

🔮

妖怪バウンダリー・タイプ指標

いたずら濃度
3.0

high: 戯 low: 護

📝 メモ

人に化け、声色を写し、妖火や病の気配も扱う化け猫である。

変化適応
3.0

high: 化 low: 定

📝 メモ

古猫が二股尾となり、人の貌や声を巧みに模写する。

夜話度
3.0

high: 夜 low: 昼

📝 メモ

囲炉裏端や路地で夜更けに踊り怪火を出す。

情の深さ
2.0

high: 縁 low: 境

📝 メモ

長年人家に飼われた猫として、恩や恨みに反応する。

結界強度
1.0

high: 律 low: 流

📝 メモ

民家や寺社に棲む家妖だが、厳格な掟は弱い。

表舞台圧
1.0

high: 表 low: 影

📝 メモ

夜更けに後脚で立ち、手拭いを被って踊るなど姿を見せる。

🔮

妖怪相性診断

喜び
5.5

喜びと楽しさの程度

📝 メモ

夜に踊る・戯れる描写がある一方、常に愉快ではない。

怒り
7.0

怒りの激しさの程度

📝 メモ

粗末な扱いへの祟り・報復性が強調される。

慈悲深い
5.0

慈悲深さの程度

📝 メモ

穢れや病をなだめる側面はあるが、選択的で条件付き。

憂鬱
4.0

憂鬱で思慮深い程度

📝 メモ

老成の気配はあるが、特段の憂愁を主題としない。

静寂
5.5

内なる平静の程度

📝 メモ

老猫の落ち着きと穢れ鎮めの性質はあるが、気まぐれで安定しない。

いたずら好き
7.0

いたずら好きで活発な程度

📝 メモ

囲炉裏端で踊る・人を試すなどの悪戯性が顕著。

やさしい
4.5

やさしく親しみやすい程度

📝 メモ

恩には報いるが、粗略には祟る二面性。親しみやすさは限定的。

厳格
6.0

厳格で真面目な程度

📝 メモ

礼を尽くす者を好み、無礼には罰を与える規範性が見える。

守護的
6.5

他者を守る傾向

📝 メモ

手厚い飼い主には家内を守る例があるが、万人に対してではない。

神秘的
8.5

神秘的で不思議な程度

📝 メモ

尾の分岐・妖火・変化・影を操る等、怪異性が強い。

霊性の深さ
7.5

精神的境界の深さ

📝 メモ

家内神的性格・穢れ鎮め・読経や祝詞に反応するなど霊的文脈が深い。

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