
座敷童子岩手の家守る童・座敷童子
ざしきわらし
詳細説明
この版では、福の神という明るい顔の裏にある、座敷童子のもう一つの相に目を向ける。
座敷童子には、棲む場所によって格の違いがあると語られてきた。奥座敷に現れる色白で美しい上位のものは「チョウピラコ」と呼ばれて喜ばれる一方、土間や臼(うす)の下を這いまわる下位のものは「ノタバリコ」「ウスツキコ」と呼ばれ、どこか薄気味の悪い存在とされた[1]。座敷童子は、家のなかの清らかな上座と、土に近い暗がりとの両方にまたがっているのである。
この土間や臼の下という場所が、座敷童子の暗い起源説と深く関わる。かつて飢饉に苦しむ東北の貧しい村では、育てられない赤子を「間引き(まびき)」「子返し」と称して死なせ、墓地ではなく家の土間や竈(かまど)のそばに埋めることがあったという。座敷童子とは、そうして家のなかに葬られた子の霊なのではないか――佐々木喜善は、座敷童子を圧し殺されて家のうちに埋められた子どもの霊だと述べたと伝わる[2]。可愛らしい福の神の姿は、村の暮らしのもっとも痛ましい部分を覆い隠す薄皮でもあった。
それでも人々は、この子らを憎むのではなく、家を守る神として祀ってきた。柳田國男は座敷童子を、仏を守る護法童子が家の守り神へと姿を変えたものと見、折口信夫は、外から訪れて家に幸いをもたらす来訪神(まれびと)や祖先の霊の系譜に位置づけた。死んだ子への悔いと、家の繁栄への願いとが一つに溶け合ったところに、座敷童子という不思議な存在は立っている。
出典情報
種類全体の出典primary
十方庵遊歴雑記
著者: 津村正恭(十方庵敬順)
年代: 江戸後期
出版社: (紀行随筆)
種類全体の出典primary
緑風荘(亀麿伝承)
出版社: 岩手県二戸市金田一温泉
種類全体の出典primary
奥州のザシキワラシの話
著者: 佐々木喜善
年代: 1920
出版社: 玄文社
種類全体の出典primary
遠野物語
著者: 柳田國男
年代: 1910
出版社: 聚精堂
バージョン固有出典 (岩手の家守る童・座敷童子)primary
郷土趣味
著者: 佐々木喜善
年代: 1924年
出版社: 郷土趣味社
参照: p.6
性格
無邪気で人懐っこく、住みついた家とその家族を慈しむ。気に入られれば富をもたらすが、ないがしろにされると黙って去ってしまう。
相性
家族や古いもの、家そのものを大切に慈しむ人
能力・特技
弱点
粗末に扱われる・ないがしろにされると去る / 害そうとする者(弓で射るなど)からは離れる / 家そのものが絶えると行き場を失う
コレクション収録
この妖怪は以下のコレクションに収録されています:
診断評価
妖怪相性診断
喜び
8.5喜びと楽しさの程度
📝 メモ
いつも笑顔・無邪気・かくれんぼなど喜びと楽しさが強い。
怒り
2.0怒りの激しさの程度
📝 メモ
怒りの描写は乏しいが家の秩序を乱す存在には稀に反発する伝承もあるため低め。
慈悲深い
8.0慈悲深さの程度
📝 メモ
家族を大切にし、温かく見守る性格描写が明確。
憂鬱
3.5憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ
基本は明るいが、去ると家運が傾くという陰影が伝承にあるためわずかに。
静寂
7.0内なる平静の程度
📝 メモ
家庭に平和をもたらし静かな座敷に住む性質上、内的な静けさは高め。
いたずら好き
8.0いたずら好きで活発な程度
📝 メモ
いたずら・かくれんぼの特性が顕著。
やさしい
9.5やさしく親しみやすい程度
📝 メモ
家に幸福をもたらし無邪気で人懐っこい設定。一般的な座敷わらし像とも合致。
厳格
3.0厳格で真面目な程度
📝 メモ
厳格さよりも親しみと遊び心が前面。家の規律を暗に示す程度。
守護的
8.5他者を守る傾向
📝 メモ
家庭守護・悪霊退散の能力と福の神の性格から強い守護性。
神秘的
6.5神秘的で不思議な程度
📝 メモ
家霊として不可視的に働くが、人型で親しみやすく神秘性は中程度。
霊性の深さ
7.5精神的境界の深さ
📝 メモ
福の神・家霊としての信仰性と加護・退散能力から霊的深みは高い。
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