護法童子(乙天・若天)
ごほうどうじ(おとてん・わかてん)
性空上人を護る二童子・乙天と若天
神霊・神格書写山円教寺 (現·兵庫県姫路市書写) / 播磨国 (現·兵庫県南西部)
乙天・若天は、書写山円教寺の開祖・性空上人に随侍した一対の護法童子である。乙天は不動明王、若天は毘沙門天の化身とされ、それぞれ青鬼・赤鬼の姿で上人の左右を護り、山中修行の薪水を運び外敵を退けたと伝える。鬼神でありながら聖僧に従い仏法を護るという護法童子本来の両義性を、播磨の山岳仏教の文脈で体現する存在で、円教寺奥之院傍らの乙天社・若天社(永禄二年創建、重要文化財)に今も祀られる。荒ぶる力を調伏して善へ転じる ── 高徳の行者に使役される童形の鬼神という、日本中世の宗教的想像力を映す。