椎谷川しいやがわ

椎谷川に伝わる妖怪 1 体。その土地に根ざした物語と伝承地を辿ります。

別称: 坪谷川 / ひょすぼ岩
  • ひょうすんぼ

    ひょうすんぼ

    稀少

    ひょうすんぼ

    日向の川河童・ひょうすんぼ

    水の怪椎谷川·坪谷川 (現·宮崎県日向市東郷町) / 日向国

    ひょうすんぼは、 全国の河童伝承のなかでも「約束を守る河童」 として際立つ日向の水の怪である。 川で遊ぶ子どもを引き込む危険な存在でありながら、 村人と「ある岩が朽ち果てるまで命を取らない」 という契約を結び、 その岩を律儀に何度も触って確かめ続けたために岩が磨かれた ── この「ひょすぼ岩」 の細部が、 単なる恐怖譚を超えた人と水神の交渉の記憶を伝える。 春秋は川に冬は山にと、 水路を伝って山·川を行き来する季節移動の信仰は、 河童を水神·山神の化身とみる南九州の民俗観を映す。 坪谷川の水神淵で毎年とられた奉納相撲は、 荒ぶる水神を相撲で慰める在地祭祀の名残である。 ガラッパやかわんたろうと連なる南九州河童文化のなかで、 ひょうすんぼは日向固有の名と伝承を持つ一柱として、 水と人の境界を物語る。