鎌鼬
かまいたち
風の傷から獣の姿へ――鎌鼬
自然現象・自然霊発祥地不詳/関八州・越後国・信濃国・陸奥国・飛騨国・美濃国・三河国・但馬国・秩父地方(各地異伝)
風が通り過ぎたあと、刃物もないのに皮膚や肉が裂けている――鎌鼬は、そんな不可解な傷につけられた名として近世資料に現れる。初期の文章は姿を語らず、鳥山石燕が1776年に一体の鼬状獣として描いた。飛騨には三人の神が倒す・切る・薬をつける伝承があるが、三匹の鼬や三兄弟という全国共通設定ではない。越後、信濃、奥羽、美濃、三河、但馬、秩父などでは、正体、出血の有無、季節、暦との関係が異なり、単一の発祥地や外見は定められない。