化地蔵
ばけじぞう
数えるたび数が変わる・憾満ヶ淵の並び地蔵
霊・亡霊憾満ヶ淵 (現·栃木県日光市、大谷川沿いの並び地蔵)
憾満ヶ淵の岸に、赤い前掛けをまとった地蔵が川に沿って並ぶ。一体ずつ数えながら歩き、帰りにもう一度数えると、なぜか数が合わない ── それゆえ化地蔵、並び地蔵と呼ばれる。男体山の溶岩が削られた荒々しい渓谷に、苔むした石仏が静かに居並ぶ景は、霊地特有の時間の歪みを感じさせる。明治の洪水で流された地蔵も多く、欠けた列のところどころに台座だけが残る。数を確定できないという一点において、これは確かに怪であり、同時に深い祈りの場でもある。