足洗邸
あしあらいやしき
本所七不思議の足洗邸
住居・器物足洗邸·本所(現·東京都墨田区) ── 本所七不思議、天井から巨大な毛足
江戸本所における屋敷付喪的な怪異像として、天井から単独の巨大な足のみが出現し洗浄を求める特徴を持つ。人語で命じ、儀礼的行為としての「洗い」によって収束する点は、家内での穢れ祓い観念と親和的である。一方で正体の特定は避けられ、鬼神・怪物・動物変化・屋敷神の転態など多義的に語られてきた。脅威でありながら、盗人を踏みつける守護の側面が付随する型も知られ、祈祷で無理に祓うと荒ぶるという話型は、無闇な退散よりも応対作法を重んじる都市怪談の性格を示す。地域伝承では、屋敷替えで止む、女性が洗わねば引っ込まないなどの差異があるが、いずれも足のみ出現・洗えば退くという核が保たれる。