悪石島に伝わる妖怪 1 体。その土地に根ざした物語と伝承地を辿ります。
ぼぜ
悪石島の来訪神
ボゼは元々トカラ列島の各島で広く信仰されていたとされるが、現在その姿を留めているのは悪石島のみである。盆の期間中にこの世に戻ってきた死者の霊(先祖の霊)を彼岸へと送り出すとともに、生者に活力を与えるという、日本古来の来訪神信仰(マレビト信仰)の極めて原初的な形態を色濃く残している。仮面と仮装によって「異界からの訪問者」を視覚化したこの行事は、南の島々における厳しい自然と共生し、共同体の結束を強めるための重要な精神的基盤として機能している。