茂林寺の釜
もりんじのかま
守鶴狸の尽きぬ釜・茂林寺の釜
動物変化茂林寺(現·群馬県館林市) ── 分福茶釜伝説、守鶴の茶釜
上州・茂林寺に伝わる守鶴の話に拠る像。湯が尽きぬ茶釜は施与と法喜を示す象徴で、僧衆や来客に茶を分ける行為が徳を広めるものと理解される。守鶴は長命の狸で、人の世に交わりつつ仏縁に結ばれた存在として描かれる。正体が露見すると寺を辞すが、別れに際し幻術をもって古戦や仏事の景を示し、人々に無常と法の徳を諭したとされる。後代、この説が昔話の「分福茶釜」へと整理され、見世物的な曲芸譚に転じた系統と、寺縁起にとどまる系統が併存する。地域では寺宝の釜と結びつけて語られ、狸信仰や講談・随筆の影響を受けつつも、根幹は「尽きぬ湯」と「去る賢狸」の二点に要約される。