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日吉大社

日吉大社に伝わる妖怪 1 体。その土地に根ざした物語と伝承地を辿ります。

  • 猿神

    猿神

    名妖

    さるがみ

    山中の生贄要求・猿神

    神霊・神格日吉大社(神使)を軸に、美作国中山神社(現·岡山県津山市)・飛騨の生贄退治譚、岡山備前・徳島木頭の憑き物伝承

    中世の猿神は、山の神格とサルの怪異が混交した存在として語られる。山域を支配し、生贄を所望する「年中行事」のような要求は、古層の神婚儀礼の反映と見なされる一方、物語化の過程で暴虐な妖怪像が強調された。退治譚では、通りすがりの猟師や法力ある僧が身代りとなり、訓練された犬が決定的な役割を果たす型が反復される。敗北した猿神が神職に憑いて赦しを請う転回は、神霊性の残滓を示す。地域によっては憑き物として伝わり、発作的な荒れや暴れを猿神の祟りとした。近世怪談では人肉を食らう兇性と、尻を撫でる滑稽さが併置され、サルへの軽侮と畏怖の両義性が描かれる。