後神(今昔百鬼拾遺による想像)
うしろがみ
江戸の版本文化に支えられた類型で、石燕の図像と狂歌本の心象化の解釈が核となる。具体的怪物というより「後ろ髪を引かれる」感覚を霊格化したもので、背後からの干渉によって行動の決断を鈍らせる。水木しげるは津山地方の説話を紹介し、女の髪を乱し熱い息を吹きかけるなど、実体ある怪異としての相貌も示すが、いずれも背後からの接触と逡巡の喚起が共通点である。臆病神・袖引小僧・震々など、ためらいを生む怪異の一群と同座させて理解されることが多い。信仰的には伊勢に祀るという記事が伝わるが、具体の祭祀形態は不詳で、道徳的・教訓的文脈で引かれる例が主である。都市と在地の双方に語りが残るが、起源の明確な神名・神体の系譜は示されず、言葉遊びと心理の具象化が伝承の推進力となっている。
執拗で陰気、からかい半分に人心を挫く
優柔不断・臆病な者とは結びつきやすく、決断の固い者には近づきがたい
評価スコアと信頼度を可視化
詳しい相性診断は下記のテストで確認できます
喜びと楽しさの程度
📝 メモ:
陰気で執拗。喜びや楽しさの表出はほぼない(からかいはあるが愉悦性は低い)
怒りの激しさの程度
📝 メモ:
激昂というより粘着的にためらいを増幅する性質。怒りは中心特性ではない
慈悲深さの程度
📝 メモ:
教訓的文脈で間接的に抑止力となる解釈もあり得るが、基本は人心を挫く
憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ:
心残り・ためらいの具象で憂鬱さを帯びる
内なる平静の程度
📝 メモ:
内的平静は低く、相手の動揺を誘う。ただ静かに囁き迫る側面もあり中低程度
いたずら好きで活発な程度
📝 メモ:
からかい半分に干渉する記述があり、悪戯性は中程度
やさしく親しみやすい程度
📝 メモ:
逡巡を煽り背後から干渉する性格で、やさしさはほぼ見られない
厳格で真面目な程度
📝 メモ:
道徳的・教訓的引用はあるが、規律を課す厳格性は弱い
他者を守る傾向
📝 メモ:
守護よりも妨害・逡巡の喚起が主機能。保護的な振る舞いは伝承に乏しい
神秘的で不思議な程度
📝 メモ:
観念化された付着怪異で図像と語呂から生じた存在。実体性と心象のあわいにあり不可思議性が高い
精神的境界の深さ
📝 メモ:
心理の擬人化として観念的・象徴的意味が深いが、体系的信仰や祭祀の裏付けは薄い
決意を言葉にして断ち切ると離れやすいとされる(伝承一般), 背後を振り向かず歩を進めると影響が薄れるとされる(伝承一般)
後神と性格や特徴が似ている妖怪たち
💡 相性度は性格や特徴の類似性に基づいて計算されています