うみぼうず
九州・四国沿岸に伝わる海坊主。船に現れて柄杓を求めるが、艫(船尾)からは決して登らず、舳(船首)から現れるという。櫓にしがみついた時には、漕ぎ続けると刃のように櫓が食い込み「アイタタ」と悲鳴をあげるとも伝えられる。宇和島では人に害を与える話が多い一方で、海坊主を見た者は長寿になるとも言われる。
著者: 櫻田勝徳
年代: 1932年8月
出版社: 三元社
参照: pp.22-25
著者: 松谷みよ子
年代: 1985年
出版社: 立風書房
参照: pp.180-183
荒々しく攻撃的だが、場合によっては長寿をもたらす二面性を持つ
船乗り、海の旅人、漁師
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喜びと楽しさの程度
📝 メモ:
楽しさや喜びの表現はほぼなく、恐怖や脅威として語られる。
怒りの激しさの程度
📝 メモ:
船を転覆、襲撃、悲鳴を上げる描写など怒り・攻撃性が顕著。嵐の夜に出没する点も凶性を補強。
慈悲深さの程度
📝 メモ:
慈愛的行動は乏しい。長寿付与は恩寵的だが恣意的で一貫性に欠ける。
憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ:
海の寂寥や畏れの化身として陰鬱さはあるが、物語上の内省的憂いの表現は限定的。
内なる平静の程度
📝 メモ:
静謐というより荒々しく出没。海の闇の静けさの側面はあるが行動は騒擾的。
いたずら好きで活発な程度
📝 メモ:
柄杓要求や女に化けるなどの攪乱要素はあるが、悪戯というより脅威行為が主。
やさしく親しみやすい程度
📝 メモ:
基本は脅威的で攻撃的。例外的に長寿を授ける伝承があるため0ではない。
厳格で真面目な程度
📝 メモ:
舳から現れる・艫から上がらない等のルール性、船王様の加護への反応など秩序性が見られる。
他者を守る傾向
📝 メモ:
害を与える話が中心だが、見た者が長寿になる・時に守護的という地域的伝承がある。
神秘的で不思議な程度
📝 メモ:
海の闇から突如現れ姿も僧形や影など多様。柄杓要求や出現規則など不可思議性が高い。
精神的境界の深さ
📝 メモ:
海上信仰・船霊・禁忌と結びつき、死生観や海の畏敬を体現。地域差と儀礼的対処も豊富。
櫓の縁で斬られる, 船尾に座す「船王様」の加護