伝説
伝統妖怪

海坊主

うみぼうず

又称・別名
海法師(うみほうし)海入道(うみにゅうどう)sea monk(するシー・モンク)sea bishop(シー・ビショップ)海の修道僧海の司教
カテゴリ
水の怪
性格
寡黙で気まぐれ、怒らせると恐ろしいが、静かなときはただ見つめているだけ
起源
中国地方・九州・四国沿岸 (各地の海坊主)
  • 長門 (chugoku)(山口県 長門市油谷向津具)
  • 備讃灘 (chugoku)(岡山県 玉野市沖)
  • 五島列島(長崎県 五島市)kyushu-shikoku
  • 宇和島 (kyushu-shikoku)(愛媛県 宇和島市)
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お子様にも分かりやすく海坊主について説明したページもご用意しています。

基本説明

海坊主(うみぼうず)は、日本各地の沿岸部に伝わる海上の怪異で、とりわけ漁師の間で恐れられてきた。穏やかだった海面が突如盛り上がり、巨大な黒い影、あるいは禿げ頭の坊主の姿となって船の行く手に立ちはだかるとされる。全身が見えることは少なく、海上に頭や肩だけを突き出した姿で語られることが多い。夜の海や時化の最中に現れ、船を転覆させ、海底へ引きずり込むと信じられた。『和漢三才図会』(1712年)『物類称呼』(1775年)など江戸期の文献にも、海上に立つ巨大な怪異の名がみえる。

民話・伝承

海坊主の伝承は五島列島(長崎県)や愛媛・岡山・鳥取・和歌山・宮城など全国の漁村に広く分布する。地域により性質は一様でない。船の行く手を阻んで網や櫂を折る怪力の主として語る土地がある一方、長崎の五島列島や愛知の師崎・知多郡では、海坊主が「柄杓を貸せ」と迫り、渡せば海水を汲み入れて船を沈めにかかるため、底を抜いた柄杓を渡して難を逃れたという話型が伝わる。

正体については、溺死者の亡霊が変じたものとする説や、零落した竜神・海神が生贄を求める姿とする説が語られてきた。鳥山石燕は海坊主そのものを描いていないが、海上に立つ盲僧姿の海座頭を『画図百鬼夜行』に収めており、近世の妖怪画には海に現れる怪異への畏れが繰り返し像を結んでいる。巨大な頭部と得体の知れぬ黒い姿は、人びとにとって「海そのものの恐怖」の象徴となった。

妖怪カード1

海坊主 を様々な画風のカードで

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舟を襲う海上の怪異

海と舟の怪

沖をゆく舟を襲い、磯辺に立つ海上の怪異たち。柄杓を求める船幽霊、巨影の海坊主、髪長き磯女、琵琶を抱く海座頭、そして物忌みの夜に渡る海難法師 ── 海で死んだ者の念と、海そのものの畏れが結ぶ群れ。

徹底解説

海坊主には3種類の異なる形態が確認されています。 それぞれ独特の特徴と性格を持ち、人々との関わり方も様々です。以下に各形態の詳細をご紹介します。

油貸せと囁く・海坊主

油貸せと囁く・海坊主について詳しく説明すると、

海坊主は、航海中の人々が海の恐怖と不安を具現化した妖怪とされる。

その姿は一定せず、ただ黒い影のように現れることもあれば、巨大な僧形で海面から立ち上がることもある。

船に近づき「油を貸せ」と囁く話が有名で、油を渡すと炎を起こし船を沈めるとも言われる。

一方で、近年の伝承では「沈んだ船や網を集め、海底に積み上げている収集癖がある」「時折光る瓶やランタンを手にして現れる」などのバリエーションも語られている。

人を驚かせる存在でありながら、海の神秘を象徴する存在として畏敬の対象にもなっている。

妖怪設定

この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。

性格
寡黙で気まぐれ、怒らせると恐ろしいが、静かなときはただ見つめているだけ
相性
海を敬い、自然と共に生きようとする人
能力・特技
船揺らし心試し海底収集波操り恐怖心投影
弱点
明かり(提灯・灯台)、海を恐れない者の勇気
生息地
沖合、嵐の夜、海の底

🔮妖怪相性診断

油貸せと囁く・海坊主についてさらに詳しい情報や診断結果については、こちらをご覧ください。

九州四国の舳乞い・海坊主

九州四国の舳乞い・海坊主について詳しく説明すると、

九州・四国沿岸に伝わる海坊主。船に現れて柄杓を求めるが、艫(船尾)からは決して登らず、舳(船首)から現れるという。櫓にしがみついた時には、漕ぎ続けると刃のように櫓が食い込み「アイタタ」と悲鳴をあげるとも伝えられる。宇和島では人に害を与える話が多い一方で、海坊主を見た者は長寿になるとも言われる。

妖怪設定

この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。

性格
荒々しく攻撃的だが、場合によっては長寿をもたらす二面性を持つ
相性
船乗り、海の旅人、漁師
能力・特技
船に取り憑く柄杓を奪って水を汲ませる女に化けて人を襲う長寿を授ける
弱点
櫓の縁で斬られる, 船尾に座す「船王様」の加護
生息地
五島列島周辺の海, 愛媛県宇和島の沿岸

🔮妖怪相性診断

九州四国の舳乞い・海坊主についてさらに詳しい情報や診断結果については、こちらをご覧ください。

中国地方の篝火消し・海坊主

中国地方の篝火消し・海坊主について詳しく説明すると、

中国地方の各地に伝わる海坊主。長門では篝火を消そうと現れ、岡山の備讃灘では「ぬらりひょん」と呼ばれる玉状の姿で人を翻弄する。山陰では浜辺を歩く者にまとわりつき、海に引きずり込もうとする。鳥取県の『因幡怪談集』には、一つ眼で棒杭のような姿をした海坊主が登場し、人をヌルヌルした体で苦しめると伝えられている。

妖怪設定

この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。

性格
いたずら好きで人をからかう一方、海に引きずり込む危険な面もある。ヌルヌルした姿や、一つ眼の怪物など、多様な姿をとる。
相性
漁師、浜辺を歩く人、船乗り
能力・特技
["篝火を消す""玉状の体でヌラリと逃げる""浜辺でまとわりつく""海に引きずり込む""一つ眼の姿で人を脅かす"]
弱点
強い火, 格闘で捕らえられることもある
生息地
長門(山口県向津具川尻),岡山県備讃灘,山陰地方の浜辺,鳥取県

🔮妖怪相性診断

中国地方の篝火消し・海坊主についてさらに詳しい情報や診断結果については、こちらをご覧ください。

出典・参考文献

4
  1. 和漢三才図会 [古典文献] 参考資料
  2. 物類称呼越谷吾山((方言辞書), 1775) [古典文献] 参考資料河童の頭の皿に水を貯える時は力が強い、と記す。皿=力の源の近世の典拠。
  3. 奇異雑談集編者未詳((江戸前期の怪異説話集), 貞享4年(1687年)) [古典文献]海上に現れる巨大な怪異を記す江戸前期の説話集。海坊主の古い文献例の一つとして引かれる。
  4. 画図百鬼夜行鳥山石燕(安永5年(1776年)) [図像資料] 参考資料

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