頼光、塚中の土蜘蛛を討つ図
つちぐも
中世以降の物語で確立した妖怪像。病に伏す源頼光の枕辺へ僧形の怪が現れ、白き血を流して逃れた跡を追うと、塚や岩屋に巨大な蜘蛛が潜むという筋立てが広まった。能では「葛城山に年経し精」と自ら語り、絵巻では多様な変化や幻術で人を惑わす。腹より無数の首や小蜘蛛があふれる異相は、魑魅の総体を象徴化した表現と解される。近世の浄瑠璃・歌舞伎はこの系譜を踏まえ、頼光四天王の武勇譚と結び付けて展開した。古代の在地勢力を指す土蜘蛛の語と、物語上の妖怪土蜘蛛は系譜を異にしつつ、名称のみが継承されたと理解される。
怨念深く執拗、狡猾
病を媒介し人を悩ます存在として忌避
評価スコアと信頼度を可視化
詳しい相性診断は下記のテストで確認できます
喜びと楽しさの程度
📝 メモ:
喜びや楽しさの情動は描かれない。戯れではなく害意主体で低い。
怒りの激しさの程度
📝 メモ:
怨念深く執拗に頼光を付け狙う。討伐譚で激しい敵意・怒りが示唆される。
慈悲深さの程度
📝 メモ:
病を媒介し執拗に害する描写が中心で、慈悲はほぼ皆無。
憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ:
年経し精としての古層性から陰鬱さは感じられるが、物語上は怒念が前面で中程度以下。
内なる平静の程度
📝 メモ:
潜伏や気配断ちの技巧はあるが、内面の平静より攻撃性・執念が強い。
いたずら好きで活発な程度
📝 メモ:
幻術は人惑わし目的で、悪戯的な遊興性は限定的。
やさしく親しみやすい程度
📝 メモ:
怨念深く病を誘い人を害する性格で、親和性はほぼない。能・絵巻でも慈しみの行動は示されない。
厳格で真面目な程度
📝 メモ:
規律・掟に従う厳格さは乏しいが、執拗さや狡猾な手順に一定の一貫性はある。
他者を守る傾向
📝 メモ:
守護行動は伝承に見られず、むしろ人を悩ます存在。守護的解釈は成立しにくい。
神秘的で不思議な程度
📝 メモ:
幻術・変化、多首・小蜘蛛の噴出、僧形化生など神秘性が強い。居所を隠す土窟や白血も不可思議。
精神的境界の深さ
📝 メモ:
古代の土蜘蛛概念と中世以降の妖怪像の重層化、能・絵巻の象徴性(魑魅の総体表現)により霊的・象徴的な深みが大きい。
利刀による斬撃(膝丸・蜘蛛切など), 夜明けの光で術が弱まる, 白き血痕を追われ居所を悟られる