
土蜘蛛葛城山年経の蜘蛛・土蜘蛛
つちぐも
詳細説明
中世以降の物語で確立した妖怪像。病に伏す源頼光の枕辺へ僧形の怪が現れ、白き血を流して逃れた跡を追うと、塚や岩屋に巨大な蜘蛛が潜むという筋立てが広まった。能では「葛城山に年経し精」と自ら語り、絵巻では多様な変化や幻術で人を惑わす。腹より無数の首や小蜘蛛があふれる異相は、魑魅の総体を象徴化した表現と解される。近世の浄瑠璃・歌舞伎はこの系譜を踏まえ、頼光四天王の武勇譚と結び付けて展開した。古代の在地勢力を指す土蜘蛛の語と、物語上の妖怪土蜘蛛は系譜を異にしつつ、名称のみが継承されたと理解される。
出典情報
種類全体の出典primary
日本書紀(神武・景行紀)
著者: 舎人親王ほか
年代: 720
出版社: (奈良時代の勅撰正史)
種類全体の出典primary
土蜘蛛(謡曲)
著者: (能、作者未詳)
年代: 室町期
出版社: (能・五番目物)
種類全体の出典primary
土蜘蛛草紙(土蜘蛛草子)
著者: (詞書・絵、作者未詳)
年代: 南北朝期(14世紀)
出版社: (絵巻、東京国立博物館蔵本ほか)
種類全体の出典primary
今昔画図続百鬼「逢魔時」
著者: 鳥山石燕
年代: 安永8年(1779)
出版社: 江戸東京博物館所蔵・国文学研究資料館国書データベース
性格
怨念深く執拗、狡猾
相性
病を媒介し人を悩ます存在として忌避
能力・特技
弱点
利刀による斬撃(膝丸・蜘蛛切など), 夜明けの光で術が弱まる, 白き血痕を追われ居所を悟られる
コレクション収録
この妖怪は以下のコレクションに収録されています:
診断評価
妖怪バウンダリー・タイプ指標
いたずら濃度
3.0high: 戯 low: 護
📝 メモ
幻術・病・糸で人を苦しめる
変化適応
3.0high: 化 low: 定
📝 メモ
僧・美女・怪異群像へ化ける
夜話度
3.0high: 夜 low: 昼
📝 メモ
枕辺や夜明け前の妖怪退治譚が中心
情の深さ
2.0high: 縁 low: 境
📝 メモ
征服された者の怨念と執拗さが濃い
結界強度
3.0high: 律 low: 流
📝 メモ
葛城山や岩屋・塚に潜む縄張り性が強い
表舞台圧
2.0high: 表 low: 影
📝 メモ
巨蜘蛛として最後に姿を現し脅威となる
妖怪相性診断
喜び
1.5喜びと楽しさの程度
📝 メモ
喜びや楽しさの情動は描かれない。戯れではなく害意主体で低い。
怒り
8.6怒りの激しさの程度
📝 メモ
怨念深く執拗に頼光を付け狙う。討伐譚で激しい敵意・怒りが示唆される。
慈悲深い
0.8慈悲深さの程度
📝 メモ
病を媒介し執拗に害する描写が中心で、慈悲はほぼ皆無。
憂鬱
3.5憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ
年経し精としての古層性から陰鬱さは感じられるが、物語上は怒念が前面で中程度以下。
静寂
2.2内なる平静の程度
📝 メモ
潜伏や気配断ちの技巧はあるが、内面の平静より攻撃性・執念が強い。
いたずら好き
2.0いたずら好きで活発な程度
📝 メモ
幻術は人惑わし目的で、悪戯的な遊興性は限定的。
やさしい
0.5やさしく親しみやすい程度
📝 メモ
怨念深く病を誘い人を害する性格で、親和性はほぼない。能・絵巻でも慈しみの行動は示されない。
厳格
4.0厳格で真面目な程度
📝 メモ
規律・掟に従う厳格さは乏しいが、執拗さや狡猾な手順に一定の一貫性はある。
守護的
1.0他者を守る傾向
📝 メモ
守護行動は伝承に見られず、むしろ人を悩ます存在。守護的解釈は成立しにくい。
神秘的
9.2神秘的で不思議な程度
📝 メモ
幻術・変化、多首・小蜘蛛の噴出、僧形化生など神秘性が強い。居所を隠す土窟や白血も不可思議。
霊性の深さ
7.8精神的境界の深さ
📝 メモ
古代の土蜘蛛概念と中世以降の妖怪像の重層化、能・絵巻の象徴性(魑魅の総体表現)により霊的・象徴的な深みが大きい。
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