中世以降の物語で確立した妖怪像。病に伏す源頼光の枕辺へ僧形の怪が現れ、白き血を流して逃れた跡を追うと、塚や岩屋に巨大な蜘蛛が潜むという筋立てが広まった。能では「葛城山に年経し精」と自ら語り、絵巻では多様な変化や幻術で人を惑わす。腹より無数の首や小蜘蛛があふれる異相は、魑魅の総体を象徴化した表現と解される。近世の浄瑠璃・歌舞伎はこの系譜を踏まえ、頼光四天王の武勇譚と結び付けて展開した。古代の在地勢力を指す土蜘蛛の語と、物語上の妖怪土蜘蛛は系譜を異にしつつ、名称のみが継承されたと理解される。
性格特徴については、怨念深く執拗、狡猾また、相性の良い人については、病を媒介し人を悩ます存在として忌避
主な能力・特技としては、幻術・変化(僧・美女・怪異の群像に化す)、糸を繰り出し人を絡め取る、人心を惑わし病を誘う、岩屋や塚に潜み気配を断つなどが挙げられます。
一方で弱点もあり、利刀による斬撃(膝丸・蜘蛛切など), 夜明けの光で術が弱まる, 白き血痕を追われ居所を悟られるとされています。
主な生息地は葛城山周辺, 北野の塚・古屋敷, 山中の岩屋・土窟とされています。
下図は頼光退治譚の土蜘蛛の診断評価図です。各項目の値が高いほど、その特性が強く表されていることを示しています。
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