
邪魅山林に満つる魔・邪魅
じゃみ
詳細説明
石燕が中国起源の魔的概念を日本の妖怪体系に配列した事例としての邪魅像を整理する。原義は「邪なる魅(まじもの)」で、魑魅の範疇に置かれ、山林や荒野の陰気が凝り、人の心身を損なう存在とされた。具体的な姿形は典籍上固定されず、図像は観念の可視化に近い。被害は発熱や幻惑、狂躁など病と不可視の祟りの中間に位置づけられ、原因が怨恨や穢れに接したことで誘発されると解釈される場合がある。対処は禁呪・符籍・結界の類で、地に牢を描き「呼び出して封ずる」術式が伝えられ、名を問うて縛る、器物に遷すといった手続が説かれる。日本では固有の祀りや祭祀対象としての展開は乏しく、魍魎と混称されるなど総称的に扱われた。民俗的には瘴気・物の怪・付喪神とは区別され、自然地の陰気と怨みが交錯する場に現れる抽象度の高い妖怪概念といえる。
出典情報
種類全体の出典primary
図説 日本妖怪大全(邪魅の項)
著者: 水木しげる
年代: 1994年
出版社: 講談社(+日本妖怪大事典ほか)
種類全体の出典primary
神仙伝
著者: 葛洪(伝)
年代: 晋代(4世紀)
出版社: (中国の神仙説話集/魔物を呼び出し封ずる術の記事)
種類全体の出典primary
春秋左氏伝(宣公三年・螭魅罔両)
著者: 左丘明(伝)
年代: 戦国期成立
出版社: (魑魅魍魎の語の典拠/杜預注ほか)
種類全体の出典primary
今昔画図続百鬼「逢魔時」
著者: 鳥山石燕
年代: 安永8年(1779)
出版社: 江戸東京博物館所蔵・国文学研究資料館国書データベース
性格
執拗で陰険
相性
孤立した者・怨みを受けた者に寄りやすいと解される
能力・特技
弱点
符咒・結界・塩や清浄の水, 名指しと封印の術, 日中の直射と風通しの良い環境
コレクション収録
この妖怪は以下のコレクションに収録されています:
診断評価
妖怪バウンダリー・タイプ指標
いたずら濃度
3.0high: 戯 low: 護
📝 メモ
病を誘い、人心の怒りや怨みを増幅させる邪悪な魔の観念
変化適応
1.0high: 化 low: 定
📝 メモ
瘴気・鬼形・取り憑きの間で姿が揺れるが、明確な変身譚ではない
夜話度
2.0high: 夜 low: 昼
📝 メモ
山林の陰地や谷間の霧立つ場所に満ち、日中の直射を弱点とする
情の深さ
2.0high: 縁 low: 境
📝 メモ
姿なき取り憑きで人心に入り込み、怨みを増幅させる
結界強度
1.0high: 律 low: 流
📝 メモ
山林の陰地や人里裏手に寄るが、特定の縄張りより悪気の拡散が本質
表舞台圧
-2.0high: 表 low: 影
📝 メモ
姿を現さず瘴気や悪気として取り憑く性質が強い
妖怪相性診断
喜び
1.0喜びと楽しさの程度
📝 メモ
喜びの感情表現は伝承に乏しく、快楽的側面も限定的。
怒り
7.5怒りの激しさの程度
📝 メモ
怒りや怨みを増幅し害をなす性質から、怒りの度合いは高いと解される。
慈悲深い
0.5慈悲深さの程度
📝 メモ
執拗で陰険とされ、慈悲の性質は認めがたい。
憂鬱
4.5憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ
陰気や荒地に結びつくが、内面的な憂愁の描写は薄く中程度。
静寂
1.5内なる平静の程度
📝 メモ
狂躁や惑乱をもたらし、内的平静とは対極。
いたずら好き
1.0いたずら好きで活発な程度
📝 メモ
悪戯の軽妙さではなく害意と瘴気が中心。
やさしい
0.5やさしく親しみやすい程度
📝 メモ
人を害する魔的存在であり、親和性や優しさはほぼ見られない。
厳格
3.0厳格で真面目な程度
📝 メモ
厳格さや規律性は特記されないが、名を問うて縛ると弱まる性質から『名』に対する律がわずかに示唆。
守護的
0.5他者を守る傾向
📝 メモ
守護的役割は持たず、むしろ人を害する側。道士が制御する記述はあるが邪魅自身の保護性ではない。
神秘的
9.0神秘的で不思議な程度
📝 メモ
姿が固定されず観念的で、瘴気・祟り・符術による封印など神秘要素が強い。
霊性の深さ
8.0精神的境界の深さ
📝 メモ
道教的符術・名指し封印・瘴気概念と密接で、霊的概念としての深みが大きい。
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