長冠(おさこうぶり)
おさこうぶり
石燕本の図像・詞書に基づき、冠が自立して行儀正しく歩むかのように描かれるが、その由来は権威に固着した心への諷刺にある。冠は本来、礼と位を正す器であるが、利己のためにそれを外さぬ者には、器が主を呪い、形を得てさまようと解釈されることがある。実見譚や怪異譚は乏しく、主に絵や書の中で言外の戒めとして語られる存在で、沓頬と対に挙げられ、疑われる所作や身の置きどころをわきまえる教訓を担う。芳年など後代の絵師もこれを踏まえ、百器夜行の隊列に冠の精を添えた。近世好事家の間では、冠や笏など礼具が古びると精が宿るとする付喪神観の一例として扱われた。
高慢に見えて虚ろ
権勢に執する者と馴れ合い、廉直の士を疎む
評価スコアと信頼度を可視化
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喜びと楽しさの程度
📝 メモ:
喜楽さや愉悦の感情は描かれない。儀礼・権威への執着を映す陰性の性格。
怒りの激しさの程度
📝 メモ:
露骨な荒ぶりはないが、権威への執着者に近づき戒める厳しさがある。怒りは中程度以下。
慈悲深さの程度
📝 メモ:
慈悲というより諷刺と戒めが中心。善人には近づかないが、積極的に救う慈悲性は低い。
憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ:
虚ろさと道義喪失への影の投影という設定から、陰鬱・反省を促すトーンがある。
内なる平静の程度
📝 メモ:
行儀正しく歩む静かな図像で、夜に影を揺らすなど静謐さを保つ。
いたずら好きで活発な程度
📝 メモ:
いたずらの要素は薄く、諷喩的で端正。百鬼夜行に連なるが戯れの性は弱い。
やさしく親しみやすい程度
📝 メモ:
教訓的な付喪神で、親しく接する描写は乏しい。高慢で虚ろという性格設定からも温和さは低い。
厳格で真面目な程度
📝 メモ:
礼と位の規範を体現し、身の処し方を戒める存在。厳格性は高い。
他者を守る傾向
📝 メモ:
直接守護するより、戒めとして人を遠ざけ諌める存在。保護機能は間接的で弱い。
神秘的で不思議な程度
📝 メモ:
冠が自立して行歩する図像的怪異で、来歴は寓意的。具体的怪談は少ないが、象徴性ゆえに神秘性は高い。
精神的境界の深さ
📝 メモ:
権威と道義の関係を象徴化する教訓的付喪神で、倫理的・象徴的な霊性が深い。
正直と廉恥を守る者には近づきがたい, 礼を尽くして冠を外す作法
長冠と性格や特徴が似ている妖怪たち
💡 相性度は性格や特徴の類似性に基づいて計算されています