渋団扇を持つ貧乏神
びんぼうがみ
貧乏神は中世の「貧窮」の擬人化に淵源を持ち、室町期以降に名指しで語られるようになった。姿は痩せた老人で渋団扇を携える像が広く、押入れや座敷の隅に住むと信じられた。追放は容易でなく、強制より「送り」の作法が重んじられる。『沙石集』には晦夜に枝で門外へ導く例、『譚海』には焼き飯と焼き味噌を折敷に載せ裏口から川へ流す法、『日本永代蔵』には七草の夜に丁重に祀り、礼を受けて福へ転ずる筋が見える。新潟の大晦日の囲炉裏、愛媛での火を荒らす禁忌など、火と家内秩序に結び付く俗信も多い。好物とされる味噌は誘因とも禁忌とも語られ、焼き味噌を巡る作法が各地に残る。祟り神であるが、家内の勤労・清浄・倹約を整えると居づらくなるとされ、民間信仰では福神との対概念として家運の指標的に扱われた。
陰気・執着深いが礼に感じやすい
怠惰・不潔・無節制と相和し、勤労・清浄・倹約と相剋する
評価スコアと信頼度を可視化
詳しい相性診断は下記のテストで確認できます
喜びと楽しさの程度
📝 メモ:
陰気・執着的で喜悦表現は乏しい。怠惰を好むが楽しさというより沈滞。
怒りの激しさの程度
📝 メモ:
激怒して荒ぶるより粘着的に停滞をもたらす。怒りは中低度。
慈悲深さの程度
📝 メモ:
礼に感じやすく改心する伝承があるため皆無ではないが、基本は不運を呼ぶ性向。
憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ:
痩せた老姿・陰気・家運停滞など憂鬱性が強い。
内なる平静の程度
📝 メモ:
動的に荒ぶらず静かに居座る性格ゆえ静寂は中程度。ただし家内を乱す側面が相殺。
いたずら好きで活発な程度
📝 メモ:
いたずら好きというより怠惰・停滞を好む。軽妙な悪戯性は低い。
やさしく親しみやすい程度
📝 メモ:
家運を傾ける祟り神で基本は陰気。だが礼に感じて転福する例があるため0ではなく低値。
厳格で真面目な程度
📝 メモ:
自らは厳格でなく、むしろ乱れを好む。ただし家の清浄・節度で居づらくなる対概念としての規律性が外部的に関与。
他者を守る傾向
📝 メモ:
本質は祟り神だが、礼を尽くすと福に転ずる・家内整備の指標となる面がわずかに守護へ傾く。
神秘的で不思議な程度
📝 メモ:
家内の秩序や年中行事・火・味噌など多くの作法と結びつき、姿も象徴的で不可思議さがある。
精神的境界の深さ
📝 メモ:
中世の貧窮観の擬人化、年末年始の祓い・送り儀礼、福神との対概念など民俗的・宗教的含意が深い。
火の勢いと清浄な住まい, 節度ある勤労と整頓, 礼を尽くした送儀, 年末年始の祓い