海辺に現れる七尋女房
ななひろにょうぼう
七尋女房は出雲・隠岐・伯耆に広く分布する巨女譚で、山道・河辺・浜辺など境の場に出没する。姿は場所により変化し、海士町では乱髪で嘲笑し石を投げる強面の怪、島根沿岸では黒い歯を見せる海風の女、安来では長衣を曳く美貌の乞食女、伯耆では青白い顔で穀を歌いながら研ぐ影女として語られる。共通するのは異様な長さ(身丈または首)と、笑い・所作・歌などの「しるし」によって人を引き寄せる点である。退散譚では刀傷と石化が結びつき、奇石・塚・古木など土地の目印が由来とされ、家宝の刀や馬具を伝える家筋の話も付随する。恐怖譚一辺倒ではなく、美貌・施しを乞う姿や、穀を研ぐ音と結びつく素朴な怖れが重なるのが特色で、境界の不安と対処(目を合わさぬ、声に応じぬ、夜道を避ける)を教える民俗教訓を内包する。近世奇談の長面妖女と類型的に比較されるが、七尋女房は主として山野・海辺の在地信仰景観と結びつく点に民俗的特徴がある。
所在なげで人を試すが、必ずしも殺生に傾かない
夜道を慎み、声や笑いに応じない者と相性が良い
評価スコアと信頼度を可視化
詳しい相性診断は下記のテストで確認できます
喜びと楽しさの程度
📝 メモ:
笑いかけるが親しみよりも誘引・嘲笑の機能。喜悦そのものの表出は限定的。
怒りの激しさの程度
📝 メモ:
石投げや威圧など攻撃的側面はあるが、常に激昂するわけではない。応戦時に激化する中庸。
慈悲深さの程度
📝 メモ:
美貌の物乞いとしての弱さの表象や直接加害しない例がある一方、嘲笑や威圧が目立つため低め。
憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ:
青白い顔・穀を研ぐ音・影女など物哀しさを感じる描写はあるが、中心特性ではない。
内なる平静の程度
📝 メモ:
境で動的に人を試す性質が強く、静けさや内的平安はあまり強調されない。
いたずら好きで活発な程度
📝 メモ:
笑い・歌・所作で人を誘う悪戯性が顕著。命取りではない試し方も多い。
やさしく親しみやすい程度
📝 メモ:
人を惑わし嘲笑し石を投げる例が多く、基本的に親しみやすさは低い。乞食女として施しを乞う穏やかな描写もあるが少数。
厳格で真面目な程度
📝 メモ:
規範を直接課す厳格さは低い。結果的に夜道の用心を教えるが、性格としての厳格さは弱い。
他者を守る傾向
📝 メモ:
守護的行動は伝承に乏しい。むしろ試す・脅かす存在。境界を教訓化する点は間接的だが守護とは言い難い。
神秘的で不思議な程度
📝 メモ:
七尋の身丈・首伸長、笑いや歌で誘う所作、石化・奇石由来など強い異界性と謎を帯びる。
精神的境界の深さ
📝 メモ:
境界(山道・河辺・浜辺)に現れ、石化・奇石・塚・古木と結びつく在地信仰景観を媒介。民俗教訓性も高い。
刃物の一撃により退散・石化する伝承, 正体を見破られ目を合わせない相手に効果が薄い, 夜道を避けるなど人側の用心
七尋女房と性格や特徴が似ている妖怪たち
💡 相性度は性格や特徴の類似性に基づいて計算されています