海上に響く虚空の太鼓
こくうだいこ
虚空太鼓は姿形をもたぬ音そのものの怪異として語られる。周防大島の浜や岬で六月頃に多く、風が変わる夕刻から夜半にかけて鳴りやすいという。地元では海鳴りや岩間の反響とも重ねて語られ、自然音と霊的な出来事が分かちがたく結びついた事例として記録されてきた。由来の口承では、かつて芸人一座の船が時化に呑まれ、救いを求めて太鼓を激しく打ち続けたが遂に帰らず、以後その季節になると海上に太鼓の響きが甦るという。音色は締め太鼓に似て軽快な連打とも、ゆるやかな宮太鼓のような大きな一打とも言い、聞き手によって表現が揺れる。凶兆視を避け、海の霊を慰める意図で手を合わせる作法が語られる地域もある。記録では具体の年次・人名は不詳で、口承の域を出ないが、海村の生活感覚に根差した音怪の典型例である。
無念を帯びるが人を害さない
静かな海辺でよく現れるとされる
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喜びと楽しさの程度
📝 メモ:
音は軽快と表現される場合もあるが、全体は鎮魂的で喜悦性は低い。
怒りの激しさの程度
📝 メモ:
怒りや攻撃性は伝承になく、人を害さない。
慈悲深さの程度
📝 メモ:
無念を帯びるが、慰霊を促す存在として穏やか。主体的な慈悲行為は語られない。
憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ:
沈没した芸人一座の無念が由来とされ、季節に甦る音として哀感が強い。
内なる平静の程度
📝 メモ:
静かな海辺で出現し、供養で鎮まるとされる。驚かす側面もあるため完全な静謐ではない。
いたずら好きで活発な程度
📝 メモ:
近づくと遠のく性質は人を翻弄するが、悪戯目的というより反響現象に近い。
やさしく親しみやすい程度
📝 メモ:
人を害さず、慰霊の対象として手を合わせる作法がある。驚かす作用はあるが悪性は弱い。
厳格で真面目な程度
📝 メモ:
規律や掟を課す描写はないが、出没条件(季節・潮目)に一定の規則性が見える程度。
他者を守る傾向
📝 メモ:
守護の意図は伝承に見えない。凶兆視を避ける家はあるが、庇護や加護の逸話は乏しい。
神秘的で不思議な程度
📝 メモ:
姿がなく発生源不明の太鼓音で季節・潮目に応じる音怪。距離感が乱れるなど怪異性が強い。
精神的境界の深さ
📝 メモ:
自然音と霊的現象が重なる典型例として、慰霊・供養との関係が深く、民俗学的霊性が濃い。
供養や読経で鎮まると伝える口承があるが詳細不詳, 強風時や波音が激しい時は判別しにくい
虚空太鼓と性格や特徴が似ている妖怪たち
💡 相性度は性格や特徴の類似性に基づいて計算されています