虚空太鼓は姿形をもたぬ音そのものの怪異として語られる。周防大島の浜や岬で六月頃に多く、風が変わる夕刻から夜半にかけて鳴りやすいという。地元では海鳴りや岩間の反響とも重ねて語られ、自然音と霊的な出来事が分かちがたく結びついた事例として記録されてきた。由来の口承では、かつて芸人一座の船が時化に呑まれ、救いを求めて太鼓を激しく打ち続けたが遂に帰らず、以後その季節になると海上に太鼓の響きが甦るという。音色は締め太鼓に似て軽快な連打とも、ゆるやかな宮太鼓のような大きな一打とも言い、聞き手によって表現が揺れる。凶兆視を避け、海の霊を慰める意図で手を合わせる作法が語られる地域もある。記録では具体の年次・人名は不詳で、口承の域を出ないが、海村の生活感覚に根差した音怪の典型例である。
性格特徴については、無念を帯びるが人を害さないまた、相性の良い人については、静かな海辺でよく現れるとされる
主な能力・特技としては、海上から太鼓音を発する(発生源不明)、距離感を乱す反響(近づくと遠のく)、天候や潮目に応じた出没などが挙げられます。
一方で弱点もあり、供養や読経で鎮まると伝える口承があるが詳細不詳, 強風時や波音が激しい時は判別しにくいとされています。
主な生息地は山口県 周防大島の海辺, 入り江や岬の岩場とされています。
下図は虚空太鼓(周防大島伝)の診断評価図です。各項目の値が高いほど、その特性が強く表されていることを示しています。
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