海難法師の来訪
かいなんほうし
海難法師は、伊豆七島における一月二十四日の物忌みと結びついた水難死者の怨霊像である。起源として、島役人への怨恨や暴風雨下で命を落とした若者たちの集団死が語られ、恨みを残した霊が盥に乗り沖から来訪し、見た者に災いが及ぶと恐れられた。家々は門口に籠をかぶせ、雨戸に柊・トベラを挿し、外便を避けるなどの禁忌を徹底した。翌日に挿したトベラを焚き、音と膨れで作柄を占う例もある。地域差も大きく、伊豆大島泉津では「日忌様」と称して祠の祭祀が続き、特定の家が海辺で一夜待受ける役を担うとされる。神津島では闇夜に神職が迎える厳粛な作法が伝わり、怨霊でありつつ来訪神的相を帯びる。三宅島では戸口に皿や土器を供え、幼子を早寝させる。いずれも海と共同体の境を守るための物忌みの制度化が背景にあり、軽侮や破りに対しては怪異・不調が生じると戒められる。南部では同類伝承が乏しい点も指摘され、分布には偏りがみられる。
寡黙で執念深いが、禁忌を守る者には無干渉とされる
物忌みを守る共同体とは衝突を避けるが、嘲弄・無視に対し苛烈
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喜びと楽しさの程度
📝 メモ:
喜悦表現はなく、来訪も厳粛・忌日の性格。
怒りの激しさの程度
📝 メモ:
嘲弄・無視に苛烈に報いる怨霊性が強い。
慈悲深さの程度
📝 メモ:
禁忌を守れば不干渉だが、救済や加護の意図は乏しい。
憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ:
水難死者の怨念・物忌みの陰性が強く、哀切と沈鬱が基調。
内なる平静の程度
📝 メモ:
寡黙で規範下では静謐だが、基本は不穏な来訪で高くはない。
いたずら好きで活発な程度
📝 メモ:
戯れや悪戯性は伝承に乏しい。
やさしく親しみやすい程度
📝 メモ:
来訪型だが目撃者に水難を招くとされ、基本は脅威。禁忌遵守者には無干渉のため0ではない。
厳格で真面目な程度
📝 メモ:
物忌み・不見の作法を強く要求し、破れば祟る。
他者を守る傾向
📝 メモ:
共同体の物忌みを促し境界を守る機能はあるが、主体は怨霊で直接守護は弱い。
神秘的で不思議な程度
📝 メモ:
盥・小舟での来訪、日忌様としての祭祀や作柄占いなど神秘性が強い。
精神的境界の深さ
📝 メモ:
怨霊と来訪神の二面性、祠祭祀・神職の迎え・占いなど霊的文脈が厚い。
戸口の籠や柊・トベラによる結界, 戸締りと不見の作法(風景を見ない), 共同体の神事による迎えと鎮め
海難法師と性格や特徴が似ている妖怪たち
💡 相性度は性格や特徴の類似性に基づいて計算されています