囲炉裏に現れる五徳猫
ごとくねこ
本バージョンは、鳥山石燕の原図と先行図像を基準に再構成した五徳猫像である。二股の尾を持つ老猫が器物の五徳を冠のように戴き、囲炉裏の縁に佇む。石燕は『百器徒然袋』で器物怪と動物怪の境界を遊び、注で『徒然草』の「五徳の冠者」を引き、語呂をもって解釈を与えた。これにより、五徳猫は単なる化け猫ではなく、道具と文芸的典拠が結びついた象徴的存在として位置づけられる。室町の『百鬼夜行絵巻』に見える五徳を戴く妖怪は、器物を頭上に載せた群像の一つであり、石燕はその系譜を継ぎつつ猫相を与えたと見られる。昭和以降に広まった「自ら火を起こす」像は、図中の火吹き竹の表現から派生した後年の推測で、古記録に具体の所行は明示されない。従って本位では、囲炉裏辺で現れて火の気配とともに目撃される存在として抑制的に捉える。
寡黙・不可思議
火と器物に関わる場所で目撃されやすいとされる
評価スコアと信頼度を可視化
詳しい相性診断は下記のテストで確認できます
喜びと楽しさの程度
📝 メモ:
遊興性や陽気さの描写は無く、静かな出現が基本。
怒りの激しさの程度
📝 メモ:
怒りを示す記述は希薄。猫一般の警戒はあるが激しさは伝承上弱い。
慈悲深さの程度
📝 メモ:
慈悲の物語は伝わらず、中立的な佇まいに留まる。
憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ:
老猫・寡黙の性格から静かな陰影は感じられるが決定的根拠はない。
内なる平静の程度
📝 メモ:
囲炉裏辺で静かに佇む抑制的存在として内的静けさが強い。
いたずら好きで活発な程度
📝 メモ:
器物を冠する図像の戯れは感じるが、いたずら談は乏しい。
やさしく親しみやすい程度
📝 メモ:
寡黙で抑制的に現れるが、人を助ける明示的行動は乏しく、脅威性も低い化け猫像。
厳格で真面目な程度
📝 メモ:
規律性や戒めの妖怪ではないが、火回りに現れる示唆性からやや厳粛。
他者を守る傾向
📝 メモ:
守護の逸話は特にない。火の気配を伴うが見守りの意図は不明。
神秘的で不思議な程度
📝 メモ:
図像本位で具体的行状が曖昧、火と器物の象徴性が強く不可思議。
精神的境界の深さ
📝 メモ:
付喪神と化け猫の境界をまたぎ、『徒然草』との文芸的典拠が重なる象徴性は深い。
詳細不詳, 猫一般と同様に大きな音や強い光を嫌うとされることがある
五徳猫と性格や特徴が似ている妖怪たち
💡 相性度は性格や特徴の類似性に基づいて計算されています