基本説明
角盥漱は、鳥山石燕『百器徒然袋』に描かれた漆塗りの盥(角盥)が怪異化した姿とされる付喪神。平安の宮中で用いられた化粧・手水の器が長年の使用や人の念を受けて霊性を帯び、夜更けに水をたたえては文字を浮かべ流すといった怪を示すと伝えられる。作例は小野小町の草紙洗伝説を典拠とする意匠が多い。
民話・伝承
小野小町の草紙洗の逸話では、角盥の水で紙を洗うと後から書かれた偽りの文字が流れ、真偽が明らかになったとされる。石燕はこの能『草紙洗小町』で著名な型を踏まえ、器物そのものが精を得た姿として図像化した。地方ごとの具体的事績は乏しく、主に絵画や見物語で言及される。
コレクション収録
この妖怪は以下のコレクションに収録されています:
徹底解説
鳥山石燕の画に拠る角盥漱像を基軸とする解釈。漆黒の盥の縁は角のように高く、澄んだ水面に灯影を映すと、紙に加筆された虚偽の文字のみがにじみ、やがて水に溶けて消えるという。器物の付喪神として、人の手入れと礼を重んじ、粗略に扱われた時のみ怪を顕す。自ら害をなすよりも、隠れた偽りを露にする振る舞いが語られる。能や歌学のモチーフを映すため、宮廷的な化粧道具・文具との取り合わせで示されることが多い。地方に固有の伝承は乏しく、近世の画譜・事典類に記述が見られる程度にとどまる。
妖怪設定
この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。
- 性格
- 静謐で執念深いが理非を正す傾き
- 相性
- 真贋を弁じ礼を守る者と好相性
- 能力・特技
- 水に触れた新しい墨跡をにじませる紙面の加筆・改竄を浮かび上がらせる夜間に水面へ古歌の断片を映す
- 弱点
- 乾ききった環境では力を示しにくい, 粗雑な扱いを受けると隠れてしまう
- 生息地
- 宮中ゆかりの女房部屋の調度, 文机まわり, 道具倉・納戸
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