付喪神
一般
伝統妖怪

付喪神

つくもがみ

又称・別名

つくも神(つくもがみ)

性格

恨みを含むが教化に従えば温和

カテゴリ

器物の精

起源

畿内を中心とする中世日本

基本説明

長年使われた器物に精霊が宿り、変化した存在。室町期の御伽草子系絵巻『付喪神絵巻』に語が見え、百年を経た道具が霊性を得て人心をまどわすとされる。「つくも」は九十九の意とも、老女の白髪「つくも髪」に通じ長寿を象徴する語と解される。姿は人・鬼・獣など多様に描かれ、荒ぶるが仏法に帰依して静まる筋立てが示される。

民話・伝承

『付喪神絵巻』では、年を経た器物が節分の夜に一揆し、人々を脅かすが、護法童子の導きや仏教の教化により悔い改める。古道具を立春前の煤払いで捨てる習俗が語中に見え、道具への畏れと扱いの戒めが表現される。『百鬼夜行絵巻』にも器物の妖が多く描かれ、道具の精として理解されてきたが、文献上の用例は限定的で詳細は不詳。

徹底解説

付喪神 付喪神(伝統叙述)

室町期の絵巻群に基づく像を要とする。器物は長年の使用で霊性を帯び、粗末に捨てられると怨みを抱き騒擾する。しかし仏法の力や祈祷、改めて大切にされることで心を和らげ、守護的に振る舞うとも解される。数値としての百年は象徴的で、時間の堆積による霊威化を物語的に表したものと見なされる。図像は人形・鬼形・獣形など多様で、五徳・盥・銚子など生活具の変化がしばしば挙げられる。近世以降は呼称の伝播が薄れるが、百鬼夜行の行列像の中で器物の妖が継続して描かれ、道具観と無常観を映す主題として受容された。地域固有の名付けは定まらず、語の出典は主に『付喪神絵巻』と古注の語釈に限られる。創作的付会は避け、道具を惜しみ敬う心を説く教訓譚として伝えられる。

性格特徴については、恨みを含むが教化に従えば温和また、相性の良い人については、丁重に扱う者には吉、粗略な者には凶

主な能力・特技としては、形を変えて人を惑わす、夜間に行列し騒擾する、器物本来の機能を超え動作する、仏法や祈祷により折れるなどが挙げられます。

一方で弱点もあり、読経・祈祷などの教化, 丁重な供養や再使用による鎮静, 乱暴な扱いの停止とされています。

主な生息地は町屋や蔵の古道具の間, 寺社の納所, 市井の古物市, 路地に捨て置かれた器物の集まりとされています。

下図は付喪神(伝統叙述)の診断評価図です。各項目の値が高いほど、その特性が強く表されていることを示しています。

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