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灯台鬼
とうだいき
カテゴリ
霊・亡霊
性格
起源
不詳(説話上は唐土)
灯台鬼
とうだいき
基本説明
灯台鬼は、頭上に燭台を載せ火を灯して立たされる「人間燭台」を指す説話上の存在。『平家物語』『源平盛衰記』『和漢三才図会』などに見え、遣唐使として渡航し消息を断った日本人が、異郷で声を奪われ入墨を施され、燭台持ちにされる筋で語られる。鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』では唐人風の装束で描かれ、その正体は人間と示される。孝子譚の文脈で知られる。
民話・伝承
梗概では、軽大臣が唐土で行方知れずとなり、子の弼宰相が渡海して探索、やがて灯台鬼と相対する。灯台鬼は涙し、指を噛み切って詩を書き、自らが日本人である由を示す。これにより父子再会の事実が知れるが、その後の帰還や救済は一定しない。史料によって記述差があり、石燕は図像で「人の身の成れの果て」を示唆する。物語は孝行・異郷受難の型に属する。