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鈴彦姫
すずひこひめ
カテゴリ
住居・器物
性格
起源
不詳
鈴彦姫
すずひこひめ
基本説明
鈴彦姫は、鳥山石燕『百器徒然袋』に描かれた妖怪。女性の姿で、頭上に神楽鈴を載せ、鈴のような顔立ちを示す。石燕は天岩戸神話の天鈿女命を引き、神楽との連関を示唆するが、由来や正体は明示しない。中世の百鬼夜行絵巻に見られる神楽鈴を持つ怪の図像や、鈴が「神を招き出す」観念との連想が下敷きとされる。具体の出没談は伝わらず、図像先行の観念的妖怪である。
民話・伝承
近世以降の絵画資料に主として見られ、室町の『百鬼夜行絵巻』に描かれる神楽具を携えた怪物像が先行例とされる。江戸期の石燕がこれを整理し、天鈿女命への言及を添えて命名したと解される。実地の目撃談や地域固有の口承は確認されず、民間儀礼の神楽と鈴の象徴性(招霊・禊祓)を背景に成立した図像的妖怪として伝わる。