
山精山中片足の塩盗み・山精
さんせい
詳細説明
本バージョンは江戸期の博物誌『和漢三才図会』に引かれる中国資料と、鳥山石燕の図像解釈に基づく。山精は山中にひそみ、炊事や作業で塩を置く山小屋を窺って近づく。体格は諸本で差があり、一尺とする記もあれば三〜四尺とするものもある。最大の特徴は一本足で、踵が前後逆向きに付くため足跡が判じ難い。食性は蟹・蛙など湿地性の小動物を好むとされ、沢沿いの環境に出没しやすい。夜間に人へ色欲の害をなすと伝えられるが、旱魃の神格である「魃」の名を発すると退くといい、これは名を呼ぶ呪的制止の類型に属する。人が山精に手を下す、あるいは交わると病や火災の祟りがあるとされ、接触忌避の禁忌を示す教訓譚として機能してきた。日本では石燕が「山鬼」と注して蟹を手に小屋を覗く姿を描き、図像上の手掛かりを与えたが、在地の口承は乏しく、基本は書誌的紹介に留まる。現代的解釈は控え、古記の範囲で像を保つのが妥当といえる。
出典情報
種類全体の出典reference
玄中記
著者: 郭璞 撰とも(伝)
年代: 六朝期
出版社: (中国の志怪・博物書)
種類全体の出典primary
抱朴子(登渉篇)
著者: 葛洪
年代: 4世紀(東晋)
出版社: (道教の修養・博物書)
種類全体の出典reference
和漢三才図会 (寺島良安 1712)
著者: 寺島良安
年代: 1712
出版社: 杏林堂
種類全体の出典primary
今昔画図続百鬼「逢魔時」
著者: 鳥山石燕
年代: 安永8年(1779)
出版社: 江戸東京博物館所蔵・国文学研究資料館国書データベース
性格
狡猾で貪欲、臆病さも併せ持つ
相性
塩を携える者に執着しやすいが、名を畏れる
能力・特技
弱点
「魃」の名を唱えられること, 明るい焔と塩の管理が厳しい場
コレクション収録
この妖怪は以下のコレクションに収録されています:
診断評価
妖怪バウンダリー・タイプ指標
いたずら濃度
2.0high: 戯 low: 護
📝 メモ
足跡を惑わせ塩を盗み人へ近づく奸計がある
変化適応
-1.0high: 化 low: 定
📝 メモ
一本足・逆踵の姿が固定的で変化は少ない
夜話度
2.0high: 夜 low: 昼
📝 メモ
夜間に人へ近づくとされる
情の深さ
-2.0high: 縁 low: 境
📝 メモ
貪欲だが人への情ではなく塩や餌への欲が中心
結界強度
0.0high: 律 low: 流
📝 メモ
山中に属するが、掟や結界を守る性格は薄い
表舞台圧
-1.0high: 表 low: 影
📝 メモ
山小屋に夜近づく狡猾な小怪で、正面の圧は弱い
妖怪相性診断
喜び
2.0喜びと楽しさの程度
📝 メモ
愉悦の表現はないが、盗み食い・奸計には小悪党的な楽しみの含意がわずかにある。
怒り
3.0怒りの激しさの程度
📝 メモ
激怒する描写は乏しいが、犯す・祟る行為に攻撃性はある。
慈悲深い
1.0慈悲深さの程度
📝 メモ
慈悲や助力の逸話がない。被害・祟りの側面が中心。
憂鬱
2.5憂鬱で思慮深い程度
📝 メモ
憂い・嘆きの描写はなく、陰湿さはあるが内面的憂鬱は不明。
静寂
3.0内なる平静の程度
📝 メモ
潜伏し機を窺う冷静さはあるが、内的平静を示す記述は限定的。
いたずら好き
4.5いたずら好きで活発な程度
📝 メモ
塩盗みや小屋を覗く振る舞いに悪戯的性質が見える。
やさしい
1.5やさしく親しみやすい程度
📝 メモ
塩を盗み夜に人を犯すなど加害性が強く、親和的要素は乏しい。
厳格
1.5厳格で真面目な程度
📝 メモ
規律的・禁欲的要素はなく、狡猾で貪欲とされる。
守護的
0.5他者を守る傾向
📝 メモ
守護的行動は伝承に見られず、むしろ害妖として描かれる。
神秘的
7.5神秘的で不思議な程度
📝 メモ
片足かつ踵が逆、名を呼ぶ禁厭で退くなど異形・呪的性質が濃い。
霊性の深さ
5.5精神的境界の深さ
📝 メモ
『魃』の名で退く禁厭、触穢や祟りの観念など呪的・宗教的文脈が中程度に深い。
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