江戸期の随筆・説話に拠る応声虫像。高熱と腹部の口状の瘡が特徴で、声は主の言をなぞり、ときに悪罵を発する。飲食を欲し、拒めば熱が募ると記す。治療は祈祷・湯薬が試みられ、なかでも嫌う薬種を選び合わせて飲ませる療法が説かれる。これにより虫が弱り、のちに体外へ出たとする記事が散見される。虫体は蜥蜴に似て角あるものと記す例もあるが、形状は一定せず記述に幅がある。中国説話の応声虫に、日本で知られた人面瘡の観念が重なり、腹に口が開く像が強調されたとみられる。病を見世の興行にかける動きも記録されるが、家の恥を憚って断られたと記す。由来は本草・説話双方にまたがり、医療と怪異の境に置かれた病障として理解されてきた。
性格特徴については、執拗で飢えやすいと解されるまた、相性の良い人については、病障を憂う者には禍、薬術・祈祷には試しを与える
主な能力・特技としては、腹中より応答の声を発する、主の言葉をまねる、飲食を要求し拒否すると高熱・罵声を生ずなどが挙げられます。
一方で弱点もあり、雷丸の服用, 藍の薬効とされるもの, 嫌う薬種の調合とされています。
主な生息地は人の腹中, 書記にみえる都鄙の家々とされています。
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