基本説明
長壁姫(おさかべひめ)は、播磨国姫路城(兵庫県姫路市)の天守最上層に宿るとされる女の妖怪・城郭神で、小刑部姫(こおさかべひめ)・刑部姫・小坂部姫とも記される。城のある姫山(ひめやま)の地主神刑部大神(おさかべのおおかみ)[1]の信仰を母胎とし、城の守護神でありながら人を退ける祟り神でもあるという両義的な性格を帯びる。江戸初期の怪談ではいまだ「姫」の像に定まらず、『諸国百物語』(延宝五年=一六七七年刊)[2]では男女の別なく姿を変える城の化け物「城ばけ物」として描かれた。やがて『老媼茶話』[3]や『甲子夜話』[4]を経て、十二単をまとう高貴な女、あるいは老女の姿が定着していく。年に一度だけ城主と対面し、それ以外の者が天守へ上ることを嫌うと伝えられ、城主の行いに応じて吉凶をもたらすと畏れられた。その正体については、老いた狐の化身、姫山の地主神、築城のとき人柱となった女の変化、罪を得て世を去った高貴な姫君の霊など諸説が並び立ち、一つに定まらないところにこの妖怪の捉えどころのなさがある。
コレクション収録
この妖怪は以下のコレクションに収録されています:
徹底解説
姫路城天守を依代とし、城の鬼門・丑寅方を要とする城郭神的存在として語られる像に拠る。名は「長壁(おさかべ)」のほか小刑部・刑部とも通称があり、近世初頭までは「城ばけ物」として性や姿が一定せず、後に老姫・女怪の像が広まった。由緒は、築城に伴う社の遷座や八天堂の建立と結びつき、城の祭祀秩序に介入する霊力として理解された。人心を見透かし、時に櫛や錣などの実物を証とする怪を示す一方、祈祷や挑発に対し鬼神の大身へと転じる威容も記される。正体は古狐・城の地主神・不詳の姫君霊・人柱譚などが併記され、特定はされない。城主の治政が正しければ鎮護となり、乱れれば祟りをもたらすという、城と共同体の境界を守る霊格としての性格が強い。
妖怪設定
この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。
- 性格
- 気高く冷厳、城主には峻厳だが礼を重んじる
- 相性
- 潔白と敬意を示す者には寛容、不敬と驕慢を嫌う
- 能力・特技
- 姿形の自在変化(老姫・座頭・鬼神など)人心を見透かす洞察城内での怪音・灯火の発生守護と譴責の加護・祟りの二面性証拠物の出現(櫛・錣などの手渡し)
- 弱点
- 不詳(礼を失した挑発には報復する), 過度の祈祷干渉を嫌うとされる
- 生息地
- 播磨国・姫路城天守, 城の鬼門周辺, 城内の祭祀施設(八天堂など)
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