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大禿
おおかぶろ
カテゴリ
総称・汎称
性格
起源
江戸
大禿
おおかぶろ
基本説明
大禿は、鳥山石燕『今昔画図続百鬼』に描かれた妖怪画上の存在。屏風より高い背丈、菊文の振袖、つるりとした頭を特徴とする。図に添えられた文は能「菊慈童」や「頭童歯豁」の語を踏まえ、長命の童や老衰の相貌を対置する寓意的表現で、遊里の禿(かむろ)や山寺の老僧を諷刺した作と解される。固有の怪異譚は乏しく、画題・比喩として流布した。
民話・伝承
石燕は「彭祖は七百余歳にして猶慈童と称す。是大禿にあらずや」と記し、那智・高野の例を挙げて「頭禿にて歯豁なる大禿」と対比した。これは菊慈童伝承や成句「頭童歯豁」を踏まえた文芸的パロディで、具体の出没譚は伝わらない。近代以降「大かむろ」と混称される例があるが、別物とされる。