基本説明
平安中期の歌人・藤原実方の死後、その怨念もしくは霊が雀と化し、内裏の清涼殿に入り台盤の飯を食い尽くしたと伝えられる怪鳥。人々はこれを「入内雀」あるいは「実方雀」と呼び、内裏へ侵入する不吉の徴と畏れた。農作物を荒らす害も語られ、実方の京への執心と左遷の恨みが形を成したものとして記録される。
民話・伝承
実方は殿上での不行跡により陸奥へ下されたのち失意のまま没した。訃報と時を同じくして、清涼殿に雀が来て台盤の飯を平らげる噂が広まり、これを実方の霊とみなした。また勧学院の観智上人の夢に雀が現れ、誦経を求めたという。翌朝境内で雀の死骸が見つかり、上人は塚を築いて弔った。この塚は後に雀塚と称され、供養が続けられたと伝わる。
コレクション収録
この妖怪は以下のコレクションに収録されています:
徹底解説
入内雀は、個人の怨恨が小禽の姿をとり宮中へ出入りする例としてしばしば引かれる。清涼殿の供御に触れる行状は、禁域侵入と食穢の不吉を象徴し、朝儀の秩序を乱すものとして恐れられた。陸奥へ配流された実方の境遇と、都への未練が怪異化したと受け止められ、災厄や作害の原因解釈にも用いられた。勧学院での夢告と雀塚の建立は、怨霊を仏事で鎮める中世以来の手続きを示す。実在の雀の渡来・群行と季節の作害が背景にあり、来訪する小鳥を魂の依代とみなす観念と結びついて伝承が定着した。伝承は諸記録に散見するが、細部や年代には異同があり、詳細は不詳とされる部分も多い。
妖怪設定
この区画は物語を楽しむための当サイト独自の設定です。史実・考証ではありません。
- 性格
- 執心深く、帰京への念が強い
- 相性
- 宮廷・供御に関わる場を好むが人に災いを及ぼす
- 能力・特技
- 禁中への侵入供御の飯を素早く食い尽くす夢告により僧へ意思を伝える群飛に伴う作物被害の象徴化
- 弱点
- 読経・供養による鎮魂, 塚を築き弔うことで鎮まる, 禁域の警戒が強い時は現れにくい
- 生息地
- 山城国・内裏(清涼殿), 勧学院周辺, 陸奥国の伝承地
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