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面霊気
めんれいき
カテゴリ
付喪神・骸怪
性格
起源
不詳
面霊気
めんれいき
基本説明
面霊気は、鳥山石燕『百器徒然袋』に描かれた面の妖怪。石燕は、聖徳太子の時代に秦河勝が多くの仮面を作ったという伝説を引き、まるで生きたかのような面の気配を妖怪化した。のちに古い能面・猿楽面が齢を経て魂を宿す付喪神として説明され、夜に動きだす、持ち主に扱いを改めるよう訴えるといった解釈が流布した。実在の人物伝承を下敷きにした画題的妖怪である。
民話・伝承
石燕は解説に、聖徳太子の頃、秦河勝が多くの面を作ったという古伝を示し、その巧緻さが生気を帯びたかのようだと述べる。能・猿楽の起源を太子と河勝に求める説話は『風姿花伝』などに記され、六十六番の芸と六十六の面に関する伝えが知られる。後世の解説では、古びた能面が霊を得て付喪神となる類型に位置づけられるが、具体的な出現地や固有逸話は不詳とされる。