黒坊主の名は地域ごとに異相を指し示す総称として使われてきた。江戸東京では寝所荒らしの怪で、女性の口元に近づき寝息を吸い、生臭さを残して去る存在として記事化された。視認は朧で、のっぺらぼうの一類と解されることもある。紀伊熊野では山中で遭遇すると背丈が急伸し、追撃を受けるほど巨大化して高速で遁走する。加賀の長田川付近では、輪郭のみ黒い塊のごとく現れ、杖を受けると水へ逃げ、獺の仕業と解く土地解釈も伝わる。さらに各地で大入道・海坊主などの呼び替えとして「黒坊主」の語が用いられ、黒色・法師風・伸長・水辺という特徴のいずれかを共有する。いずれの型も持続的な定住は示さず、出没の報はやがて止むのが通例である。
妖怪設定
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